アドボカシー・権利擁護とは?介護士が高齢者虐待と身体拘束を学ぶ意味

介護の仕事をしていると、アドボカシー権利擁護という言葉を耳にする機会がありますよね。
特に、介護施設・事業所では年に1回くらい、このテーマの研修会があるかと思います。

それぞれどんな感じで研修会をやっているかはわかりませんが、受けていて、どうです?

「毎年同じことを・・・」って思っちゃっていませんか?

確かに、年に1回以上実施することが規定されている研修会の内容は、おざなりになりがちかもしれません。

でも、毎年の実施が規定されていることには、それなりの理由があります。
また、アドボカシー・権利擁護は介護職員にも身近に存在する高齢者虐待・身体拘束とも深いかかわりがあるんです。

この記事では、介護職員がアドボカシーを学ぶ意味、高齢者虐待と身体拘束との関係についてお話しします。

アドボカシー・権利擁護の違い

先に答えちゃうと、アドボカシーと権利擁護に違いはありません。

同じ意味・・・というか、アドボカシーを意訳すると権利擁護になります。

アドボカシーは直訳すると「権利・代弁」や「決意・表明」になります。
これを意訳して、特に医療・福祉の業界では「権利擁護に関わる活動」としているようです。

権利擁護に関わる活動を具体的に言いますと、次のとおりです。

認知症などで自分の権利を適切に主張できない方々に代わって、
主張を代弁(あるいは自分で主張できるようサポート)することで、
人権を守っていきますよ

こと介護福祉においては、この主張を代弁するということが重要とされています。

アドボカシーが重要視されていることがわかる話

アドボカシーに関する研修は、介護施設・事業所で毎年実施することが義務付けられています。

正確には、

  • プライベートの保護の取り組みに関する研修
  • 倫理及び法令順守に関する研修

の2つですね。
僕が働く法人では、この2つ併せて【アドボカシー(または権利擁護)の研修】として行われています。

毎年行われるということは、それだけ職員が徹底しなければいけない事項ということです。

また、介護福祉士試験でもアドボカシーに関する問題が出ています。

Aさん(82歳、女性)は、アルバイト店員の息子(56歳)と二人暮らしである。Aさんは、 3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’stype)と診断された。現在、要介護2と認定されて訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を支給限度額まで利用している。Aさんは、身の回りのことに常に見守りや介助が必要であり、一人で外出して道が分からなくなり、何度も警察に保護されている。訪問介護事業所が、アドボカシー(advocacy)の視点からAさんと息子を支援する場合の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

(1)自分の食事も作ってほしいという息子の要望に、対応できないと断る。
(2)息子の外出時は、Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。
(3)Aさんと息子に相談の上、社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかける。
(4)息子に、市内に認知症家族の会があることを知らせる。
(5)町内会に、回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。

引用:2016年 介護福祉士国家試験

ちなみに答えは(3)です。
せっかくなので簡単に解説します。

(1)自分の食事も作ってほしいという息子の要望に、対応できないと断る。
⇒確かに訪問介護では対応できないことなので断ることにはなるのですが、アドボカシーに関する回答としては不正解。断った上で代わりになる提案をしていれば正解になります。(2)息子の外出時は、Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。
⇒アドボカシーどころか虐待です。(4)息子に、市内に認知症家族の会があることを知らせる。
⇒これも必要な支援ではありますが、アドボカシーとは別問題です。(5)町内会に、回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。
⇒プライバシーの侵害に当たります。介護従事者には守秘義務が課せられているので、訴えられても文句言えないです。同意を得ていれば、必要に応じて行うこともあります。

(3)のように、本人や家族の同意を得た上で、何かあった時のための見守り支援をすることがアドボカシーにつながるという問題ですね。

アドボカシーと高齢者虐待と身体拘束

アドボカシーと高齢者虐待と身体拘束について一緒に語られることは、ありそうで意外と少ないです。

しかし、高齢者虐待や身体拘束はどちらも人権侵害に当たります。

当然ながら、介護職員は「虐待と拘束はダメ!」と教わるわけですが、虐待と拘束を廃止する・未然に防ぐということは、それ自体がアドボカシーになるんです。

また、介護職員の「そんなつもりじゃなかった」などという言い訳は、絶対に通用しません。
アドボカシーに関する研修会が義務化されているのだから、知らぬ存ぜぬというわけにはいかないんです。

 

介護は大変な仕事ではありますが、どんな事情があろうとも、利用者の人権侵害に相当する行為を行えば、悪いのは自分です。

よく利用者本位と言いますが、利用者の安全・安心を守ることは、そのまま自分自身を守ることにもつながります。

利用者本位は利用者のみのためにあらずです。

なので、介護職員がアドボカシーについて学ぶことは大きな意義があります。

法令順守なんて言うと小難しくて嫌になりますが、法を丸暗記する必要は一切ありません。
これをやったら権利侵害」ってとこだけ押さえておきましょう!

たかが研修とタカをくくらず、「聞いてやるかー」くらいでも良いので、学ぶ姿勢を保ってほしいと思います。

 

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