近年、「グルテンフリー」という言葉を耳にする機会が増えましたね。
パンやパスタ、うどん…私たち日本人が大好きなこれらの食品に含まれるグルテンを摂取しない食事法のことですが、健康に良い、ダイエットに効果的、さらには認知症にも良いという話も聞きます。
しかし、実際にグルテンフリーを実践してみたけれど、思ったような効果が得られなかった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか？
実は、「グルテンフリー」には、いくつかの落とし穴があるんです。
今回は、認知症介護に悩むご家族のために、「グルテンフリー」の真実と、認知症改善のための食事について詳しく解説していきます。
グルテンフリーって一体何？
グルテンフリーとは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれる「グルテン」というタンパク質を摂取しない食事法のことです。
グルテンは、パンやパスタ、うどんなどの麺類、ケーキやクッキーなど、様々な食品に含まれており、これらの食品にモチモチとした食感を与える役割を担っています。
なぜグルテンフリーが注目されるの？
グルテンフリーが注目されるようになった背景には、セリアック病という病気の存在があります。
セリアック病は、グルテンに対する免疫反応によって小腸に炎症が起こり、栄養吸収を阻害してしまう自己免疫疾患です。
セリアック病の方は、グルテンを摂取すると下痢や腹痛、体重減少などの症状が現れるため、グルテンフリーの食事療法が必須となります。
また、セリアック病以外にも、グルテンを摂取することで消化不良や倦怠感、頭痛などの症状が現れる「グルテン過敏症」の方もいると言われています。
こうした背景から、グルテンフリーは健康的な食事法として広く知られるようになりました。
グルテンフリーの落とし穴
1. グルテンフリー＝健康に良いは間違い？
グルテンフリーは、セリアック病やグルテン過敏症の方にとっては必要な食事療法ですが、健康な方がグルテンフリーを実践しても、必ずしも健康 benefitsがあるとは限りません。
むしろ、グルテンを含む食品には、食物繊維やビタミン、ミネラルなど、健康に欠かせない栄養素も含まれています。
これらの栄養素が不足すると、かえって健康を損なう可能性もあるため注意が必要です。
2. すべてのグルテンフリー食品が安全とは限らない
スーパーなどで販売されているグルテンフリー食品の中には、小麦粉の代わりに米粉やコーンスターチなどを用いた加工食品が多く見られます。
これらの食品は、グルテンフリーではありますが、糖質や脂質が多く含まれている場合があり、摂りすぎると肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性もあります。
3. グルテンフリー食品は高価なものが多い
グルテンフリー食品は、通常の食品に比べて価格が高い傾向があります。
そのため、グルテンフリーを継続するには、経済的な負担が大きくなってしまう可能性も考慮しなければなりません。
認知症とグルテンの関係
近年、グルテンと認知症の関係について研究が進められています。
一部の研究では、グルテンが脳に炎症を引き起こし、認知機能の低下に繋がることが示唆されています。
しかし、グルテンと認知症の関連性については、まだ十分な evidence が gathered されているとは言えず、さらなる研究が必要です。
認知症改善のための食事
認知症の予防・改善には、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 主食、主菜、副菜を揃えた食事を摂る
- 野菜、果物、海藻、きのこなど、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂る
- 魚、豆腐、納豆など、良質なタンパク質を摂る
- 塩分を控えめにする
- 甘いものや脂っこいものの摂りすぎに注意する
グルテンフリーを検討する前に
グルテンフリーは、セリアック病やグルテン過敏症の方には有効な食事療法ですが、それ以外の方が安易にグルテンフリーを実践することはおすすめしません。
もし、グルテンフリーに興味がある場合は、まずはご自身の体質や健康状態をよく理解し、医師や registered dietitian などの専門家に相談することをおすすめします。
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