ヒトラー・橋下徹に学ぶ、介護現場の人間関係を改善する心理学

【人を操る】

詐欺の匂い漂う言葉ですねえ。

 

今回お話ししたい内容において、【人を操る】っていうのは、決して人を騙すような悪どい話ではありません。

心理学とか、心理学を基本にした心理テクニックの類は、悪どい人が使えばそりゃあ、悪い使い方しますよね。

【人を操る】がよくないイメージと思われるのは、そういう話ばっかり話題になっているからです。

本来ならば、【人を操る】ことは、人とのコミュニケーションを円滑にして、良好な人間関係を築くのに有効な手法なんです。

 

介護業界が人材不足である背景として、給料の安さ以上に大きい理由が、人間関係です。

職場の人間関係、悩んでませんか?

 

  • 無茶振りの止まない上司
  • 口ばっかりな先輩
  • 自発的に動けない後輩  などなど

 

誰かに相談しても、なかなか解決できませんよね。

ていうか、こういうことの解決ってなんでしょう?

 

自分の周りを味方につけてその人を孤立させる?
コンペイ
いや、それはいじめっ子の考え方です。

 

じゃあ、配置・所属を変えてもらう?
コンペイ
言ってすぐ変えてもらえるかわからないし、かえって敵を作る可能性がありますよ。

 

気にするだけ無駄だと割り切って耐える?
無視する?
コンペイ
いや論外!
いつかストレスに押し潰されます。

 

僕が思う、一番平和な解決方法があります。

その人を味方につけることです。

 

人を操る心理テクニックを活用することで、あなただけでなく、その人を含めたみんなにも利益のある関係を構築できます。

うまくいけば出世にも・・・

 

この記事が、あなたのいる環境で、より良い人間関係を築く手助けになれば幸いです。

 

あの人も心理学で・・・?

心理学の始まり

「心理学」が学問として確立されるよりすんごい昔から、人間の心についての探究が行われてきました。

「人間の心は生まれた時から様々な概念があらかじめ備わっている」
古代ギリシアの哲学者 プラトン

 

「人間の精神は生まれた直後の状態では完全な白紙であり、成長・学習によってさまざまな働きを習得する」
プラトンの弟子 アリストテレス

 

「人間はさまざまな概念を学習や経験によって習得するのではなく、生まれた時からすでに習得している」
17世紀フランスの哲学者 デカルト

デカルトは「我思う、故に我あり」で有名です。
近代哲学の父と言われてる上に、現代の心理学の基盤を作ったそうです。

デカルトの「生まれた時からすでに」っていう生得説から、能力心理学っていうのを提唱します。

 

時を同じくして、デカルトの能力心理学に反する理論も提唱されています。

ご存知、イギリスの哲学者 ジョン・ロックさんなどです。

ロックさんらは、「人間は経験によって知識を習得する」というイギリス経験論というものを元にして、連合心理学という理論を提唱しました。

その辺りまでは、こういった理論は哲学の一種として扱われてたんですが、19世紀になってくると、心理学の基礎的な部分が出来上がってきます。

特に、ドイツの物理学者 グスダフ・フェヒナーが提唱した「精神物理学」は、精神と身体などを数量的に捉えようっていう学問は、それこそ現代心理学の重要な基礎になっています。

 

現代の、科学的というか理論的というか、そんな心理学が生まれたのは、19世紀末頃です。

ドイツの哲学者・生理学者 ヴィルヘルム・ヴントさんが、ドイツの大学で心理学実験室を開設したのが始まりとされています。

哲学から自然科学としての心理学に昇華されたわけです。

 

広がり続ける心理学

19世紀にヴントさんが、自然科学的な手法を取り入れた実験心理学を提唱。
ちなみに実験心理学は構成主義心理学とも言われています。

これを皮切りに、現代心理学は次々と分派的に展開されていきます。

ゲシュタルト心理学とか、行動主義とか、聞いたことあるものもあるかもしれません。

その中でも有名で、現代心理学の大元になっているのが、オーストラリアの精神科医 ジークムント・フロイトによる精神分析学です。

無意識っていう概念に基づいたフロイトの精神分析は、20世紀最大の発見と言われてて、多くの心理学者に影響を与えています。

僕が学生の頃なんかは、心理学といえばフロイトとユングの二大巨頭でした。
ユングが提唱したのは分析心理学です。

ユングとは別に新フロイト派なんてのもあります。

そして、ここ何年かで大流行したのが、アルフレッド・アドラーによる個人心理学です。
僕は入門書程度しか知りませんが、考え方は好きで、時々記事の中で引用してます。

 

そして現代でも、心理学はいろんな学問と連携するようになって、新しい分野が次々生まれているようです。

社会心理学とか発達心理学などの、心理学の一般法則を研究する基礎心理学

臨床心理学など、基礎心理学で得られた法則をいろんな場面の問題に活用する応用心理学

現代心理学は基礎心理学と応用心理学に大別されて、企業のマーケティングや、スポーツ、教育、医療などに活用されているんです。

ヒトラーが使った心理学とは?

ナチス・ドイツの独裁者として名を馳せたアドルフ・ヒトラー。

彼の印象って、あまり良いものではありませんよね?
なんたって独裁者って言われるくらいですから。
でもヒトラーは、当時ものすごい支持を集めてその立場に立ったんです。

そこには、巧みな心理学の活用術が隠れていました。

例えば、こんな心理テクニックがあります。

 

黄昏時効果

ヒトラーは、演説を行うのは夕暮れ時であることにこだわっていました。

というのは、人間の思考や判断能力というのは、朝起きてからの時間の経過や気象の変化によって上がり下がりします。
さらに、夕方になると疲労や周りが薄暗くなってくることでだいぶ低下すると考えられています。

これを黄昏時効果と言いまして、ヒトラーは、これによって大衆が周りの意見に流されやすくなるのを狙っていんたんです。

 

単純接触

演説する目的は、要は「政策だけでも覚えてってくださいねー!」ってことです。

ヒトラーは大衆に自分の政策などを覚えてもらうために、演説中、同じフレーズを何度も繰り返して言うようにしていました。

これを単純接触と言います。
単純接触には、特定の刺激を繰り返すことで、その刺激に対する警戒心を解いて、逆に好意を持たせる効果があります。

大衆の受容能力は限られており、理解力は小さいが、忘却力は大きい

とヒトラーは考えていました。
そう言われると失礼千万ですが、大衆とは、人間とはそういうものです。

そこで、自分の政策をワンフレーズのスローガンにまとめて、なおかつ同じテーマでも飽きないように、違う視点や言い回しを変えて、繰り返し訴えています。

 

ロミオとジュリエット効果

ヒトラーの演説の内容は、自分の国であるドイツの現状をバッキバキにこき下ろすところから始まります。

その上で、そんなどん底にある国でも、我々が様々な障害を乗り越え、栄光を取り戻し、未来を築いていきましょうよ!っていう語り口がよく使われていました。

当時のドイツは、世界恐慌による大不況の只中であったこともあり、こういう盛り上がり系のストーリーは、これでもかってほどバズったわけです。

このような心理テクニックを、ロミオとジュリエット効果と言います。

 

ロミオとジュリエットはご存知ですかね?

シェイクスピアの作品で、身分の違う男女の悲しい恋愛事情が語られます。

それになぞらえて、目的に対する障害が多ければ多いほど、それを乗り越えようという気持ちが高まるという心理状況をそのように名づけられました。

 

元ネタが元ネタなので、この心理効果はよく恋愛問題で扱われるんですけど、現代のマーケティングの場面なんかでも取り入れられています。

希少価値が高い、手に入りにくいものほど欲しくなるとかね。

ヒトラーは、「今はどん底だけどみんなで乗り越えようぜ!」っていう、障害とその先の目的をストーリー仕立てにすることで、大衆の共感を得たんです。

 

誤前提暗示

ヒトラーは、聴衆に向けて二者択一を問いかけることがよくあります。

ドイツが共産党に支配されるのが良いか、それとも我々ドイツ労働者党が良いか。

戦争か、平和か。

ユダヤ人に支配されるままか、それとも反旗を翻すのか。

極端な選択ではありますが、重要なのは、「それら以外の選択肢はない」かのように訴えかけていることです。

 

もっともらしい前提とか選択肢を与えられると、ほんとは他にも選択肢があるとしても、その与えられた選択肢だけで判断してしまう心理が働きます。

これを、誤前提暗示と言います。

現代のヒトラー?

以上のように、ヒトラーはあらゆる心理テクニックを駆使して、大衆の心理を操作することで、独裁者となり得ました。

そんなヒトラーよろしく心理テクニックを駆使する豪傑が、現代の日本にいるんです。

 

2011年の大阪府知事選・大阪市長選に圧勝した政治家 橋下徹さんです。

橋下さんの演説は、往年のヒトラーがドイツをこき下ろすところから始めるのと同様の切り口で、過去の栄光を取り戻そうっていう、ロミジュリ効果をふんだんに利用しています。

大阪都構想について述べた時は、このままでは衰退するであろう大阪の体制について「現体制がいいか、新しい体制がいいか」って誤前提提示を用いていました。
そう言われたら、そりゃあ良くなる方を選びますよね。

 

橋下さんの心理テクニックの効果は、スピーチの場において絶対的と言っていいです。

ヒトラーも、個人の時から演説によって大衆の心をつかんでたし。

 

今回、僕がマーケティングなどにも取り入れられている心理学を紹介しようと思ったのは、これが介護の現場にも必ず役に立つと考えたからです。

演説しろって話ではありませんよ?

人によっては、会議での発言、施設内研修の講師、上司との面談など、多少なりかしこまった場面というのは、演説で使えるテクニックを応用することで、自分の望んだ反応を得ることができます。

でもヒトラーや橋本さんは、確かに演説によってその存在感を知らしめたわけですが、台本がある状況だけでうまくいくほど甘い世界にはいません。

彼らの日常的な会話の中にも、人の心をつかむテクニックが潜んでいたはずです。

それは必ず、介護現場の人間関係に応用できます。

 

シリーズものにしていきます。

あなたが今の職場で、より輝いて働くことためのきっかけになりますように。