ICT・介護ロボットに見る介護業界の将来性

昨今、介護の将来性について議論されることが多いですね。

結論的に言うと、介護職員という仕事はなくなることはありません。

日本人の平均寿命は、

  • 男性:約81歳
  • 女性:約87歳

と言われています。

今後この数値がどう変化していくかはわかりませんが、少なくとも、今後高齢化社会においては介護を要する高齢者が減ることはないでしょうね。
少なくとも、当面は。

さらに言うと、今後多種多様の仕事がAIに取って代わられると言われている昨今、介護という仕事はコンピューターには困難な柔軟さが必要になるので、職種として生き残る可能性が高いとされています。

以外にも、必要そうな病院の外来はAIとの代替えが可能だそうです。
確かに、バイタルや症状の情報があれば薬の処方はできそうな気がしますよね。
その中で精密な検査などが必要な方がいる場合に医師が出てくればいいので、昨今の医師不足にも対応ができるかもしれません。

つまるところ、介護職員は医師以上に、生身を必要とされているんです。

介護職員に将来性はあるの?

介護士からのケアマネは誰も選ばない?

僕は宮城県の、ちょっとした田舎の社会福祉法人に勤めています。
今は居宅ケアマネージャーですが、その前は同法人の特養で介護士を12年やってました。

働き始めは契約社員であったということもありますが、12年間の昇給額は月額で3万程度です。

妻は僕より2年早く同法人に勤め、現在も介護士として働いています。
当時は介護職全盛期で、妻は最初っから正社員だったので、昇給額は僕より多いです。(泣)

さらに言えば、妻には夜勤手当もあります。

それでも僕との月給差は2万円程度です。
正社員と契約社員スタートの差があるのに、あまり大した差ではありません。(ないより全然いいですけど)
※地域や事業所によって違います

ケアマネージャーというのは取得までの流れの上では、介護福祉士よりも上位に位置する資格です。
詳しく言えば、介護福祉士の資格取得後に5年間の実務経験を積むことで、ケアマネージャー資格の受験資格が得られます。

介護福祉士やケアマネージャーには資格手当があり、(事業所によりますが)僕が働く事業所ではケアマネージャーのほうが手当は上です。

その辺だけ見ると、やっぱりケアマネージャーの方が上のように感じちゃいます。
ですが、僕の場合、介護士時代より今の方が給料は少々安いです。

特に夜勤手当が大きいですね。

それでも介護士に戻らないのは、

  • 定時で働ける
  • 自分で仕事のスケジュール調整ができる
  • 自分用のパソコンが支給される

というでかいメリットがあるからです。
幼い子を持っていると、給料よりも時間の方が重要であることもありますしね。

まあ強いてデメリットを言うなら、

  • 休みの日に緊急の電話や駆け付けなければならない場合が時々ある
  • 自分の行動が事業所の収支に直で影響するので、責任が重い
  • ケアマネは悪くないのに、なんとなく「すいません」って謝りがち
  • 介護士と比べ一気にデスクワークが増えるので、太るw

ぐらいですかね?

あ、メリットより多いなw

介護業界は出世しにくい?

介護業界はその構造上、出世しにくいシステムになっています。

正確に言うと、最近よく聞くような一芸に秀でた人材が脚光を浴びるということが、あまりないんです。
言い換えれば、クリエイティブな概念を持ち込みにくい世界なので、独創性豊かな人ほど出世からほど遠くなりがちなんです。

それはクリエイティブな概念が、高齢者に通じない・・・というよりは、職場のベテラン勢に通じないことが多いからだと思います。
介護業界での人事評価は減点方式になりがちで、ミス1つの減点が大きく見られがちです。
完璧にやって及第点みたいな。

クリエイティブな概念とか、新しい発想などは昨今、どの企業でも重要時されるものです。
しかし、介護業界では、ベテランほど従来のやり方に自信を持っている場合が多く、「これまででうまくやれてるから、必要ないんじゃない?」と受け付けてくれないんですよね。

若者の最大の持ち味であるはずの柔軟性や独創性が阻まてしまうんです。

仮に出世しても、年配のベテラン(お局さん)が下からチクチクしてくるので、頭を抱える人が多いようです。
そういう中間管理職のジレンマ的なものはどの企業にもあるのでしょうが、年功序列がなかなか抜け出せない介護業界において、はたして出世に意義を見出せるでしょうか?

資格はとっておくべき

介護福祉士は国家資格ですが、介護は資格がないとできない仕事ではありません

資格には種類があって、介護福祉士は名称独占資格に分けられます。
これは簡単に言うと、この資格を持っていれば「僕、介護福祉士なんで!」と名乗ることができるものです。

それだけ?

って思われるかもしれませんが、これが案外バカになりません。
特養とかだと実感しにくいかもしれませんが、こと在宅においては、この資格を名乗るだけで相手からの信頼がガチで倍増します。

実際のところ、名乗らなくても介護はできるので、介護を行うこと自体に必須の資格というわけではありません。

ここ数年では、事業所内の資格保有者数によって入るお金も変わってきます。
そうすると、リーダーや主任になっていなくても給料に影響が出てくるので、介護福祉士を持っていることはかなりのステータスだと思ってて良いでしょう。

介護ロボットとAI

夢のロボットに近づいている?

最近では、多くの事業所で介護ロボットの導入が進んできています。

介助動作のサポート系や見守り支援系のものが多いようで、中には僕のロボットという概念を覆す(良くも悪くもw)ものまであります。

その中でも僕の目を引いたのが、こちらです↓↓↓



 僕が夢見るロボットに一歩ずつ近づいています!
身体が大きい、体重が重いなどの利用者さんでも軽々移乗できるので、介護士の職業病とも言える腰痛にお悩みの方は絶対に買いです!

もちろん、個人で買うにはかなり大きい買い物になります。
なので、ぜひ事業所の上司におねだりしてくださいw

介護事業所で介護ロボットやICTを導入する場合、自治体からの補助が出ますので、前向きに検討してもらえるかもしれませんよ!

サイトをのぞくところから、まずはやってみてください!

CMやTVで話題!マッスルスーツEvery(エブリィ)

AIには限界がある?

さっきから夢の夢のと鼻息荒く言っておりますが、実際のところ、介護ロボットのイメージって、人型ロボットがお年寄りを抱え上げる姿を想像しちゃいません?

僕は完全にそっち派です。(どっち派だw)

それが現実になれば、人間の介護職員はかなり楽になりますよね。

でもそれ、並大抵の話ではありません。

AI=人工知能という認識になりますが、結局のところは全てプログラミングで出来ています。
なので、入力された膨大なデータのなかから適切なものを選ぶことはできるのですが、柔軟かつ新しい発想というものを生み出す力はありません。

かつ、「抱き上げる」という動作には、体格や性別、体調、関節の固さ、皮膚の状態、相手の協力動作(抱えた時につかまってくれるか等)、周囲への危険予測など、配慮しなければならないことがたくさんあります。
人間でも、どっか抜ける事はざらにあります。

体格だけ見ても、人によって様々ですよね。
その全てをその場で判断して適切な力加減で抱き上げるのは、おそらく今後も無理だと思います。

せめて、アイアンマンのようなスーツが量産されるのを祈るばかりですw

介護業界が必要としているのはあなたに他ならない

AIの限界を知ると、人間の脳ってめちゃくちゃハイスペックであることがわかります。
先述の「抱き上げる」含め、今のAIにできないことを、人間はさも当然のように行っているんです。

将来のAI技術が、今後どれほどの進化を遂げるかはわかりません。

しかし、やはり人間は、人間との触れ合いを必要としています。

AIや介護ロボットによるフォローは今後必須であるにしても、何より必要とされているのは、あなたなんです。

最後に

少なくとも今後、いろんな介護ロボットが導入されていくことは間違いありません。

もしかすると、人材不足が改善されて転職・退職を求められる可能性があるかもしれません。

それでも、必ず人間が必要なのが介護です。

あなたがその必要な人間として、介護業界で活躍されることをお祈りします。