カレーが認知症を救う?
インド人には認知症の人が少ないと言われています。
その理由は、インド人も私たちも大好き、カレー。
カレーに含まれるターメリックやクルクミンが脳の炎症や酸化を抑えると言われています。
炎症は認知症の元、酸化は老化の元です。
事実、カレーを「しばしば・時々食べる」グループと「めったに食べない」グループでは、前者の方が認知機能を図る検査で高得点をとったそう。
ただ、「口から食べたものが脳に直接行き届く」という考えに否定的な意見もあるので、カレー有効説には賛否があります。
これについては後で話しますね。
認知症患者が一番少ない国
実は「認知症患者数が一番少ない国はインドじゃない」という意見があります。
いろいろ検索してみたけど、そこにはあまり触れられてないんですよね。
なんでだろ?
統計上、認知症患者数が一番少ない国は2022年現在、南アフリカであるとされています。
OECDのデータだから間違いないんじゃないかなとは思うけど、なんだかちょっと腑に落ちない。
これにはちょっとしたカラクリがあります。
それをわかりやすく解説しますが、少し古いデータから引っ張ってきたので、現在の数字と合わないかもしれないけどご容赦ください。
統計のカラクリ
「認知症が少ない国」としてのイメージが強い【インド総人口に対する認知症有病率】は約0.3%。
対して、「認知症患者が一番少ない国」と言われている【南アフリカの総人口に対する認知症有病率】は同じく約0.3%。
「なんだ同じじゃん!」
と思いますよね。
実際、両者とも世界でトップクラスの少なさ。
なのに、「南アフリカの方が有病率が少ない」というデータがあります。
そのデータは実は、南アフリカの【総人口】ではなく、【65歳以上の高齢者人口】での数字。
【65歳以上の高齢者人口に対する認知症有病率】 で見ると、
インド:約5.3%
南アフリカ:約4.9%
このカテゴリで見ると南アフリカの方が有病率が少ないことがわかります。
総人口で若者の比率が、インドよりやや多いということですね。
つまり、南アフリカの有病率が世界一少ないのは、 「65歳以上を対象にした統計」 での話なんです。
ちなみに「認知症有病率が世界一多い日本」は、
総人口に対して約4%。
65歳以上に対して約14%
インドや南アフリカと比べて、多すぎると思いません?
これは日本の高齢化と認知症患者数がいかにエゲツナイかを示しています。
認知症患者数については、日本の医療体制と地域連携(発見⇒受診⇒治療の流れ)が整っているからとも言えますけどね。
日本の高齢化がヤバイ
2022年現在、
インドの高齢化率は6.9%
南アフリカは7.1%
対して、同年での日本の高齢化率は28.4%
インドでも高齢化が進んでいないわけではないんですが、高齢化の進み具合がダイレクトに認知症有病率に反映されていることがわかります。
日本ヤバ。
となると、カレーさえ食べればいいって話でもなさそう。
…と思いきや、そこにも理由はあります。
日本のカレーは認知症になりやすい?
日本のカレールウは小麦粉によってトロミを出しています。
これは日本人好みの加工で、本場インドのカレーには小麦粉を使ったトロトロのカレールウは存在しません。
ちなみに、ナンの材料は小麦粉ですが、南北で主流が異なります。
北インドがナンで、南インドは米を主食にしています。
※絶対ではありませんが
なぜ小麦粉の話題になったかと言うと、小麦にはグルテンが含まれており、このグルテンが認知症の原因になっているからです。
一昔前、インドで主流だった小麦粉は日本で使われるものよりグルテンの含有量が多いというデータがありました。
けど、近年ではインドでもグルテンフリー食品市場が急上昇しています。
もとからグルテンの入っていないカレーもそうですし、徐々にグルテン摂取量が減ってきているインドにおいて、認知症有病率が低いままであるのも合点がいきます。
念のため言っておきますが、小麦が全て悪いわけじゃない。
食物繊維など良い栄養素も入ってて、食べて良い効果も期待はできます。
悪いのは、豊富なグルテンを持たせるように至った品種改良と製品化。
小麦製品はおいしくて便利です。
今でこそ価格高騰しているけど、米と比べても安く済むし保存もききます。
だけど、それと引き換えに将来の健康を、最悪の場合、認知症による家庭崩壊を招いているかもしれないと思うと、なんだかね…。