睡眠をあなどるなかれ
睡眠には
食べる量や代謝速度
太りやすさやせやすさ
感染へに耐性
創造性や洞察力の発揮
ストレス耐性
情報処理速度や学習速度
記憶の整理や蓄積
など、様々な効果があることが証明されています。
一週間の睡眠不足により、711個の遺伝子が変化するという発見が2013年にありました。
これらの遺伝子にはストレス、炎症、免疫、代謝に関わるものも含まれます。
睡眠不足によりこの遺伝子が変化すると、免疫力低下などの異常を起こしやすいです。
遺伝子は損傷した組織の交換や修復のためにタンパク質を常に供給しています。
それが、ほんの一週間の睡眠不足によって機能しなくなってしまいます。
また、慢性的な睡眠不足のサインは、私たちもよく経験しているものが多いと思います。
頭がぼんやりする
老化による物忘れ
免疫力低下
肥満
心疾患
糖尿病
うつ状態など
これら全て、睡眠不足によって引き起こされている場合があります。
寝ているようで寝れてない?
睡眠不足が脳機能(=認知機能)低下につながり、それが長期にわたれば認知症に至ります。
しかし、高齢になるほど熟睡するのが難しくなるという問題があります。
熟睡しにくくなる原因はいろいろありますが、多くは、熟睡を妨げる病状から生じています。
40%の高齢者が睡眠時無呼吸症候群や不眠症などの慢性的な問題のため、ぐっすり眠ることができないでいるんです。
寝つきの悪さと認知機能低下に関係があることはすでに実証されています。
ほとんどの人は、「認知症になったから睡眠不足になった」というイメージの方が強いかもしれません。
もちろんそういう場合もありますが、実際のところは「睡眠不足が、認知機能悪化の悪循環に入り込んだ」という場合が多いです。
また、長年の微妙な睡眠不足の蓄積が、認知症を引き起こすことがあります。
6時間の睡眠を1週間続けると、一晩徹夜したのと同じであると言われています。
徹夜した後は記憶力や判断力などの機能が低下しますが、そのような状態が長く続けば、脳は機能低下した状態が通常運転になってしまい、認知症の始まりにつながるんです。
高齢者を寝せすぎるは酷?
以前、「高齢者にもっと寝ろというのは酷だ」というご意見を頂いたことがあります。
「寝疲れを起こしたりしてかえってしんどくなる」 とのことでした。
しかし、寝疲れは全身の血行不良が主な原因なので、
水分補給
適度な運動
手足を温める
マッサージをする
バランスの良い食事を摂る
枕をその人に合ったものに変える
などの対応によって解決する可能性があります。
無呼吸症候群などの病状については医療的な処置により改善するケースもあります。
全ての人がそれで改善するかというと確かにそうではないけど、多くの人が日常的なケアでも改善しています。
それを試さず、ましてや睡眠薬に頼っているのであれば、悪いけど苦言を呈させてもらいたい。
睡眠薬はレム睡眠とノンレム睡眠のバランスを崩すなど、かえって悪影響につながる可能性が高いですからね。
論破したいわけではないので、全て試した上で頂いたご意見なのであれば、生意気言ってすいませんでしたと素直に謝ろうと思います。
とは言え、もし毎日10時間以上寝ているのであれば、それは睡眠過多です。
認知機能だけでなく身体機能まで低下しかねないので、睡眠時間は適正(7~8時間)を目指しましょう。