何もわからない新人ケアマネに捧ぐケアマネの教科書【サービス担当者会議の要点】

新人ケアマネとして活躍するあなた。

覚えること、山ほどありませんか?

  • ケアマネ試験合格からの実務研修
  • ケアマネ事業所の上司・先輩の指導
  • ケアマネになってからの研修(専門研修・更新研修含む)

これだけでも情報量が多すぎてそうそう覚えられたものではありません。
しかし、ケアマネの大変なところは、十分な研修や指導を受ける前に独り立ちすることが多いということです。
さらに言えば、研修の内容だけでは対応しきれないことが、序盤からドバドバやってきます。
僕も新人の頃、それでさんざん悩まされました。

そんなあなたのお役に立てればと思い、僕の体験を交えつつ、ケアマネとしての基礎知識を徹底解説していきます。

この記事では、サービス担当者会議を終えた後に行うことについてお話します。

 

サービス担当者会議から帰ったら

緊張のサービス担当者会議を終えたら、早ければその直後には介護サービスの提供を始めることができます。
ケアマネとしては、サービス利用の状況を確認していくことになるわけですけども、その前にやっておくことがあります。

サービス担当者会議の要点の作成です。
サービス担当者会議が終わって事務所に帰ったら、これをやらなきゃならないんです。

これはケアプラン作成の流れとして必須の作業ですので、どのように作成していくかを解説します。

 

サービス担当者会議の要点とは

サービス担当者会議の要点(以下、要点)とは、サービス担当者会議の会議録のことです。
標準様式が決まっていて、ケアプランも1~3表がありましたが、要点は第4表に当たります。

先に、4表上部についてをお話しておきます。

  • 作成日
  • 利用者名
  • 作成者名
  • 開催日・時間・開催場所
  • 会議出席者

ケアプラン第1表では作成日の設定に若干気を遣うようでしたが、要点についてはそこまで難しいことはありません。
担当者会議当日か翌日でOKです。
開催日と同じ日にしておけば問題ありません。

開催場所は基本的に自宅です。
ただし、自宅内で家族による虐待があるなど、「自宅で開催することが望ましくない」場合は、自宅以外での開催も可能です。
その場合は、その旨をアセスメントやケアプラン、ケース記録などに記入しておきましょう。

 

 

 

会議出席者は、本人・家族、各事業所職員、主治医、その他ケアプランに盛り込んだ方、最後に自分と、その会議に参加した人は全員記載します。
同じ事業所で2人以上が参加している場合ひとつの欄に全員(または「他〇名」)記載してもOKです。

当日参加できない事業所には、事前に照会文書を依頼していると思いますが、参加予定で欠席する人がいる場合は、名前の横に「(欠席)」と記載するように教える人がいます。
ぶっちゃけ僕は書いてません。
照会文書もらってるので、それで十分でしょう。

 

では、肝心の会議録の部分にうつります。

検討した項目

検討した項目」は、要は主題です。
この会議で話し合っておきたいことをここに記入します。

例えば、訪問介護を利用するなら単純に「訪問介護利用について」などでいいと思います。
初回の時であれば、僕はよく「訪問介護実調」とか書いたりします。

他には、体調に心配があるなら「体調について」とかでもいいし、ケアプランに挙げている課題(ニーズ)をそのまま書いてもいいですね。

それらを箇条書きで記入します。

忘れがちですが、「ケアプラン原案について」は入れといた方がいいですよ。
市町村職員の考え方にもよりますが、これがないと「ケアプランを主軸に開催する会議なんだから」とかつっこんでくる場合があります。

検討内容

「検討した項目」に対して、担当者会議内で議論が交わされた経過を記録する部分です。

発言はそのまま記載してOKですが、誰が発言したのかも併せて明記しておきましょう。
福祉用具に関しては、福祉用具の必要性について議論したということがわかる内容は必ず入れてくださいね。
また、担当者会議になって突然浮かび上がる課題も出てくることがあるので、それも記録してください。

それらに対する本人・家族の発言も必要に応じて記録しましょう。

先述した「ケアプラン原案について」に対しては、はっきり言ってこの内容全てが当てはまる話なので、ケアプラン自体に対しての質問等がなければ、「以上について検討している」等ごまかしで入れとけば問題ないと思います。

結論

「検討内容」に対する結論はここに記入します。

福祉用具の必要性を検討・確認した上で、何を・いつ・自宅のどこに設置するのかなど、サービス提供に向けての結論です。
要はまとめの部分ですね。

「ケアプラン原案について」をここで完結させるわけですが、ケアプランの完結は、本人・家族の署名をもらうことでなしえます。
なのでこの結論は、「以上の内容に同意を得て、ケアプランに署名いただく」等で締めましょう。

ちなみに、欠席で照会文書を依頼した事業者の欠席理由や、照会で得た意見についてもここら辺に記入します。
どうせ照会文書も要点と一緒に保管するので、別に書かなくても細かくは書かなくても良いとは思いますけどね。

残された課題

内容によっては結論が出ない場合もあります。
話し合った結果結論が出なかったこと、今後結論を出すために経過を観察していくことなどを記載しましょう。
なければないで大丈夫ですが、市町村職員等でたまにつっこんでくる人もいますので、できるなら何か書いときましょうかね。

ま、僕は十中八九書いてませんが。

最後に「次回の開催時期」とありますが、たいていは次の要介護認定更新時期になると思います。
ここに記載した日程を厳守というわけではなく、結局は必要な時にまた開催することになるので、あまり深く考えずに記入しましょう。

ま、僕は十中十書いてませんが。

 

作成した要点の配布義務?

要点は会議が終わって帰ったら即作るのが理想ですが、ぶっちゃけ作成日さえ合わせれば、作るのはいつでもかまいません。
ただし、要点を配布する場合は早めに作った方が良いでしょうね。

ケアプランは利用者から同意の署名をもらった後に、本人・家族、各事業所(必要に応じて病院等)に配布義務があります。
が、要点には配布義務はありません。

一応、ケアプランの配布にて情報の共有はできていると判断されるので、わざわざ配布する必要はないということです。

ただし、会議の内容次第では、ケアプランに記載していないことで確実に情報を共有しなければいけないこともあります。
それを口頭だけで済ませて、万が一どっかの事業所がそれを忘れていたら、「言った・言ってない」の押し問答になってしまうので、必要かなと思ったら配布していた方が無難です。

ネット上で、

義務とかではなく、社会の常識で考えたら配布するべきじゃないの?
なんて意見がありましたが、僕は「必要に応じて」でいいと思います。
特に規定がないのに常識がどうこう言われても仕方ないのでね。
「言った・言ってない」問題は確かに面倒だし、利用者にも迷惑がかかる場合がありますが、こまめに様子を見に行って、気付いたことを話し合うことで解決できることがほとんどです。
それが嫌なら配布しましょう。
確かに、あなたを守ることにもつながりますしね。

まとめ

サービス担当者会議の要点は、作成は規定上必須です。
配布義務がないとはいえ、記録がなくて「言った・言わない」の前に自分が「なんて言ってたっけ?」なんて事態になったら、かっこ悪いことこの上ないですね。
たいていは10分前後の会議なので、会議録を作ること自体はそんなに苦痛ではないと思います。
ただし、配布が必要になる場合もあるので、本人・家族のような人が見てもわかりやすいように、専門用語の多用などは控えてください。
作成したらちゃんと保管しておきましょう。