タダ働き同然…ケアマネをもっと評価しろ!

普通、事業所として収入を得るためには実績が必要ですよね。

ケアマネージャーもご多分にもれず、利用者1人につき、最低でもひとつ以上の介護サービス利用実績がないと、介護報酬(=料金)を請求できません。
つまり、どれだけ関わっても実績がなければ、タダ働きということになります。
※請求先は利用者さんではなく、国保連ですけどね。

しかし、「実績がない=収入につながらない」と言って「じゃあ損切りしましょう」というわけにはいかいのが、ケアマネージャーの悲しいところなんです・・・。

というわけで今回は、ケアマネージャーのタダ働きをもうちょっと評価してほしいという願いを込めたお話しをしたいと思います。

国保連とは、国民健康保険団体連合会の略で、各都道府県がそれぞれの自治体で運営しています。
その業務内容は請求に関するものだけではありませんが、介護報酬・診療報酬の審査支払業務を行っており、介護事業所とは深い関係にあります。
基本的に請求は月1回、データでやりとりされるんですが、それだけで年間約8万円の費用がかかっているとかいないとか。
割かし高いねっ。

ケアマネージャーのワークスタイル

ケアマネージャーって、セールスなどの営業に近い動き方をしているところがあります。
「顧客を求めて訪問する」ということはありませんが、依頼を受けてから訪問し、介護サービス等の利用について提案をします。

提案が受け入れられ、それをケアプランにし、そのサービスに利用実績がつけば、収入が発生します。
ケアマネージャーにとっての商品は【ケアプラン】ということですね。

もちろんケアプランだけでなく、請求業務などいろんな業務がありますが、収入に直接結びつくのがケアプランです。

 

収入に結びつかなくても労力えげつない

こちらから営業するわけではなく依頼を受けることが前提なので、ケアマネージャーが関わる方は基本的に、こちらの商品を欲している人=介護サービスを利用したい人(あるいは利用するか相談をしたい人)です。
なので、「顧客」ではなく「利用者」と呼ばれます。

そんな利用見込み濃厚な熱いお客様なわけですが、それでもなお、利用に結びつかないケースがあります。

本人、または家族が拒否した場合です。

本人が利用したい(しても良い)と思ってても、家族が拒否したら、ケアマネージャーとしてはおいそれと利用につなぐわけにはいきません。
逆も然りで、本人の強い拒否っていうケースの方がむしろ多いですかね。

中には、

  • 介護サービス事業所の職員も訪問に同席した
  • ケアプランまで作ってハンコもらうだけのところまで行った

という状況で大どんでん返しの「つながりませんでしたー!!」ってパターンが、割とよくあるんですよね。

このように、その利用者さんに結構な時間を費やしたにも関わらず、利用につながらず収入がもらえない場合があります。

もちろん、訪問に同席した介護サービス事業所だって、利用実績がなければ収入はありません。

中には、例えば利用しないと家族の負担がやばいぞってケースもいるので、その後もしばらく訪問を続け、利用を勧めることもざらにあります。

「そこをなんとかするのがケアマネの仕事だろ!」って思われるかもしれません。

でも、セールストークが上手な営業マンでも、介護サービス利用につなげるというプロセスはそううまくはできないと思います。
本人の認知症、家族の精神疾患などが絡んでいる場合が多いからです。

さらに、セールスなら買ってもらえる見込みがない時点で切ることができますが、ケアマネは、依頼を受けている以上簡単に切るわけにはいきません。

依頼が生きている以上は、利用につながるまで、または依頼者が諦めるまで関わり続けなければならないんです。

それがタダ働きになろうとも。

利用なくても少しでも収入につなげる方法

利用につながらない場合でも、まあ最初の1ヶ月くらいは、仕方がないとあきらめざるを得ません。

しかし、もしその後も訪問を続けるのであれば、多くはないですが収入につなげられる可能性があります。

実態把握調査です。

実態把握調査とは、主に地域包括支援センターから居宅介護支援事業所が依頼を受け、要介護認定を受けててもサービス利用していない人や、認定は受けてないけど認知障害が疑われる人などの家を訪問し、様子を伺って、可能ならサービス利用につなげましょうというものです。

「定期的な観察が必要」等の要件はありますが、該当するのであれば、管轄の地域包括支援センターに相談してみましょう。

保険者にもよりますが、1回につき要支援者を担当した場合と同程度の報酬が得られます。

逆に言うと、要支援者の報酬がなんで同程度なのか・・・まあそれは今は良しとしましょう。

タダ働きに報酬を!(願望)

実績がないと報酬が得られないのは、正論です。

しかし、そもそもケアマネの相談援助という業務は、「お見積り無料!!」なんていうセールスコピーなど一切うたっておりません。

相談援助はケアプランを作るだけでなく、悩める利用者・家族に安心をもたらすというもので、確かに目に見える実績とは言えませんが、意義あるものだと思います。

意義のあることに、僕等が進んで取り組む意味をもたらしてほしいものであります!