認知症介護実践者研修とは?基礎研修と違い強制じゃないけど受けるべき理由

認知症介護実践者研修って、基礎研修と何が違うの?
コンペイ
簡単に言うと、実践者研修は基礎研修の上位互換です。
「より専門的」・・・というところですね。
ふーん。
基礎研修は、無資格の人は強制で受講するんでしょ?
実践者研修もなの?
コンペイ
実践者研修が強制になることはありません。
基礎研修を受けた時点で無資格じゃありませんからね。
あ、そっか。
じゃあ別に受けなくてもいいんだね。
コンペイ
強制じゃないのでもちろん受けなくてもいいです。
でも、受ける意味はある・・・というか、受けといた方がいいですよ。
え、どうして?
コンペイ
じゃあ、認知症介護実践者研修がどんなものか、どんなメリットがあるかお話しますね。

認知症介護実践者研修とは

認知症介護実践者研修とは、基礎研修と比べ、より実践的な知識・技術の習得し、認知症介護の専門職を養成するための研修です。

認知症介護は今や福祉だけでなく、医療業界にも広がりつつある支援なので、介護職員にとっては今後、介護福祉士に並ぶスタンダードな資格になるかもしれません。

認知症介護実践者研修を受けるメリットは?

無資格者に認知症介護基礎研修が義務化されることもあって、最近輪をかけて認知度が上がってきている実践者研修ですが、これを受けるメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

目に見えるメリット

キャリアアップの第2ステップ

当然、受講すれば専門的な認知症の知識が得られます。
ですが個人的な見解を言ってしまうと、「認知症の知識が得られる」ことに、さして大きなメリットを感じません。

しかし、今後の介護業界でキャリアアップを望むのであれば、実践者研修の受講は必須であると言えます。

実践者研修修了を要件に受講できるものに、認知症介護実践リーダー研修認知症介護指導者養成研修があります。
文字通り、他の職員をけん引する立場になるための研修です。
ザ・キャリアアップって感じですね。

ちなみに先述の通り、無資格の介護職員は強制的に基礎研修を受けることになります。
それが第1ステップに当たるので、実践者研修は第2ステップというわけなんですが、他の資格をすでに持っているなら、こと認知症介護に関しては実践者研修が第1ステップにもなりますね。

所属する施設によっては手当もある

施設や事業所によっては、介護福祉士同様、実践者研修修了者の配置が必要になります。
したがって、修了している職員は優遇される可能性があります。

資格手当が出ることもあるので、働く場所を選べば受講するメリットは十分にあると言えるでしょう。

転じて、転職活動もしやすいというメリットもあります。
まあ、そうなると入社して速攻で戦力扱いされるかもしれないので良し悪しですが。

メリットと言えばメリット

評価されやすい

繰り返しますが、施設や事業所によっては実践者研修修了者を配置しなければなりません。
加算につながる施設もあります。

イコール自身の給料に反映されるので、それは確かなメリットです。
ただ、「この資格を持っていると周りに評価されますよ」というのは、少々微妙かなと。

例えば、少し前のことですが、「介護福祉士を取得して何が変わったか」という調査が行われました。
その中で、「変わった」と答えた介護職員はたった20%程度だったそうです。
また、同じく介護福祉士取得者への調査で、「今の実務内容に満足していますか?」について、「はい」と答えた人は約25%
「介護福祉士を取得して周りからの期待や接し方が変わったか」においては、「変わった」と答えた人は40%ほどです。

少ないですよね。

実践者研修を低く言うつもりは毛頭ありませんが、あくまでステップアップの第一歩(または二歩)として考えて、過信しない方がいいと思います。

高いレベルの認知症介護を実践できる

実践者研修というだけあって、学べる内容は実践的です。

言っても介護は対人なので、フィーリングが先行しがちではあるんですけども、フィーリングに頼るということは、どこかでイラつきなどの感情に歯止めが効かなくなることもあり得ます。

研修を受けることで、認知症介護において、ケア自体やケアプランの作成業務がスムーズに行えるようになるとされています。

フィーリングに頼らない、理論的な認知症介護を実践することができるというのが、実践者研修修了者の強みです。

ただ、「理論的に実践できること」が必ずしも優秀であると言えないのが介護業界だと思います。

一概には言えませんが、職員に好かれる職員と、利用者に好かれる職員の違いがそうです。
理論が前に出すぎて理想的なケアを追求する人は、利用者に好かれても職員に煙たがれがち。
逆に、フィーリングで押していく人は、利用者と反発することも多いですが、職員には同調されることが多いです。

理論を身に着けることは、今後の後輩指導などでも必要になるのですが、フィーリングと理論をうまいことすり合わせられる人が、理想の職員ではないかなと僕は思ってます。

高いレベルの認知症介護を実践できることはメリットではありますが、現場では諸刃の剣になり得ることも承知しておいてほしいです。

研修の内容

受講の要件

認知症介護実践者研修の受講要件は、ほとんどの自治体で、「介護現場での実務経験2年以上」を受講要件としています。

無資格の新人さんは基礎研修を受けることが義務化されましたが、義務化となる令和3年度の時点で2年以上の経験がある無資格者は、もう実務者研修を受けて大丈夫です。
ただ、自治体にもよりますが、受講は所属する施設・事業所の推薦って形を取っているので、うまくやってもらいましょう。

ちなみに、介護職員初任者研修等、新人・未経験でも受けられる研修を修了している場合は基礎研修受講義務の適用外なので、安心して実践者研修を受けてくださいね。

受講費用

受講費用は、実施する自治体などによっても違うのですが、相場としては3万円前後です。
1万円くらいのところもあります。
別途テキスト代がかかるところもあるので、確認しといた方が良いですね。

所属する施設・事業所が負担してくれるところもあるでしょうし、実施する団体独自の助成もあったりするので、確認してみてください。

研修期間

認知症介護実践者研修の研修期間は、たいていの自治体で

  • 講義・演習:6~7日
    1ヶ月2~3回ペース
  • 自施設研修:2~4週

となっており、全部含めてだいたい2~3ヶ月間で行われます。

カリキュラム

これまた自治体などによって多少異なりますが、カリキュラムの大筋と目安時間は次の通りです。

認知症ケアの基本的理解(講義・演習)

  • 認知症ケアの基本観点と理念(180分)
  • 認知症ケアの倫理(60分)
  • 認知症の人の理解と対応(180分)
  • 認知症の人の家族への対応(90分)
  • 認知症の人の権利擁護(120分)
  • 認知症の人の生活環境づくり(120分)
  • 地域資源の理解とケアへの活用(120分)

 

認知症の人への具体的支援方法と展開(講義・演習)

  • 認知症の人とのコミュニケーションの理解と方法(120分)
  • 認知症の人への日薬物的介入(120分)
  • アセスメントとケアの実践の基本Ⅰ(180分)
  • アセスメントとケアの実践と基本Ⅱ(240分)
  • 認知症の人への介護技術Ⅰ(食事・入浴・排泄等)(180分)
  • 認知症の人への介護技術Ⅱ(行動・心理症状)(180分)

 

演習・実習等

  • 自施設実習の課題設定(240分)
  • 自施設実習(アセスメントとケア実践)(4週間:1日7時間計算)
  • 実習評価(180分)

自分の所属する施設を実習場所として、対象の利用者を選定します。
その対象者にアセスメントを行います。
どのような認知症ケアを行っていくかを整理し、認知症ケアにおいて、認知症の方本人の問題、それをとりまく施設の問題についての課題を抽出、整理していく感じですね。

 

まとめ

認知症介護実践者研修自体は、「これだけ取っとけばOK!」というわけではありません。

ですが、「取っとけばOK」になる資格を得るための要件として、実践者研修は必要不可欠ですので、まだ受講していない方はよく読んでみてください。

その資格は次の通りです。

  • 認知症介護実践リーダー研修
  • 認知症対応型サービス事業管理者研修
  • 小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修
  • 認知症対応型サービス事業開設者研修

いよいよキャリアップ感をひしひしと感じるような研修が目白押しですね。

あなたのキャリアアップのためにこの記事が役立ってくれたら幸いです。

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