ケアマネージャーをしていると、実に様々な経験をします。
その中でも一番悩ましいのが、利用者さんや家族がぶっこんでくる無理難題です。
規定されているケアマネの業務の中で、できないことははっきりしています。
例えば、ヘルパーさんができることのほとんどは、ケアマネがやってはいけないことになっています。
しかし、規定上ではギリギリセーフの無理難題が舞い込むこともあるんです。
これについてはいろんなブログで、中には軽く引くようなモンスター利用者(家族)話も読めたりするので、検索してみてくださいね。
この記事では、利用者さんからではなく、介護サービス事業所から受けた便利屋扱いエピソードをお話しします。
猫の多頭飼育と猫アレルギーのヘルパーさん
ヘルパー介護戦線
居宅介護をしていると、高確率で犬・猫の多頭飼育ふれあいパークと関わります。
僕個人は動物大好きなので、かわいいペットはウェルカムです。
ただ問題なのが、衛生面ですね。
特にメスを飼っている家では、猫の妊娠に気を配っていると思います。
猫に囲まれたいとか、止む無く妊娠する場合もあるでしょうが、その辺に気を配っている飼い主であればたいてい、衛生面には問題ない家がほとんどです。
しかし、次々小犬・小猫が生まれてくる家は、靴を脱いでは上がれないような環境である場合が多いです。
そんな中でもヘルパーさんは踏み込んでいかなければならないので、本当に頭が上がりません。
なおかつ、掃除の支援なんか頼もうもんなら、家によっては劇的ビフォーアフターが繰り広げられます。
ヘルパーさんは介護業界の最前線で活躍する仕事と言っても過言ではありません。
ただ、ヘルパーさんの活躍で自宅内がきれいになっていったとしても、どうしても避けられない問題があります。
そう、アレルギーです。
動物アレルギーは避けようがない
ハウスダストアレルギーなんかもありますが、ハウスダストは掃除で多少の改善が可能です。
しかし、動物アレルギーは、そこに動物がいる限り不可避であると言えますよね。
せめて触れないようにするしかない。
とある訪問介護事業所のヘルパーさんにも、猫アレルギーの方がいました。
こればっかりは仕方ないです。
どうにかアレルギー発動することなく支援してもらうしかありません。
ケアマネを通す必要あるそれ?
ある日、そんなヘルパーさんから電話がかかってきました。
「猫アレルギーがあるので、どうにかしてほしいです」
・・・はい?
と思いましたが、つい「あ・・・はい」と言っちゃった気弱な僕が憎い。
いや、どうにかしなきゃいけないのはわかりますよ。
アレルギー発動したら、次の利用者さんへの支援が滞るでしょうしね。
すると、またヘルパーさんが言いました。
「せめて支援中、猫が部屋に入らないように、できれば外に出てもらうようにって、利用者さんに言ってもらえませんか?」
自分で言えーぃ。
とか思いつつ、善逸よろしく「お任せ下さいな!」と快諾する気弱な僕が憎い。
いや、別に言っても構わないんですよ。
でも、それ介護がどうこうではなく、ヘルパーさん個人の問題じゃないですか。
利用者さんにお願いするのは自分か事業所の上司であるべきで、ケアマネに頼るのはお門違いです。
ケアマネは、利用者さんにとっても、介護サービス事業所にとっても、便利屋ではないのです。
(なんだか「じゃあそう言い返せよ」という声が聞こえますが、華麗にスルーします)
よろずやケアマネさん
ケアマネのできること・できないことについては、ヘルパーさん始め他の事業所同様、規定されています。
ですが、規定上ギリギリセーフコースを攻めてくる利用者がいて、たまに他の事業所も攻めてきます。
今回紹介した例は、「別にいいですけど」程度のものではありましたが、この辺の線引きはケアマネが各自決めておくしかないんです。
「それはできないんですすいません」的な。
しなくても良いことを断るのは何も悪いことではありませんから。
ですが、便利屋扱いされている故か、在宅生活に困っている人との窓口になっている立場故か、しなくて良いことのはずなのに、ケアマネってつい「すいません」って付けちゃうんですよね。
利用者やあらゆる関係機関をつなぐ大事な役割であるケアマネですが、その立場は決して高いものではありませんね。