結果を残したいなら成果主義を捨てろ!新人教育編

物事にはおおむね、「結果」と「過程」があります。

あなたは、どちらを大事にしますか?

経営者だったり、介護であれば介護主任やユニットリーダーなどは、介護スタッフを評価するために結果を重視することが多いのではないでしょうか。

実際のところ、経営者などであれば、結果が全てと言っても過言ではありません。
実績ともいいますね。
数字としての結果が良好でなければ、経営はできませんから。

成果主義の悪影響

結果を重視して評価をすることを成果主義と言います。
給料歩合制なんかは、つまり成果が出た分だけ報酬がもらえるという仕組みですね。

介護業界においては、成果主義であることが多いです。
僕も以前、特養の施設長に職員の評価について伺った時に「実績を出さないと」と一蹴された記憶があります。
(なんの話でそれを言われたかは忘れましたが)

成果主義は一見わかりやすくて、頑張った分だけ評価されそうな感じがします。
でも、場合によっては悪影響を及ぼすことがあります。

そのひとつが不正です。

介護業界でも、特にNPO法人や社会福祉法人は非営利団体なので、利益を重視してはいけないことになっています。
介護に関連する独自の収益事業(副業みたいなもの)を行うことは可能ですが、まあ雀の涙です。

常にギリギリのところでやりくりしているような事業所では、どうしようもなくなって不正請求に走ることがあります。

結果だけを追う評価というのは、長期的にどこかで歪を生んでしまうものなんですよね。

あと、手柄(=結果)を横取りされたら、評価を受けるのは横取りした人だけです。
そうやって出世した中身のない上司って結構多いと思います。

介護報酬(介護サービス提供による収入のこと)は、利用者から1~3割、残りの7~9割を国や自治体、税金から事業所に支払われます。
その7~9割を請求する際に、実績などを添付するわけですが、実績をうまくちょろまかして不正請求するケースがあるようです。

注目されているプロセス評価とは

成果主義の悪影響を懸念する中で、注目を集めているのがプロセス評価です。

プロセス評価とは文字通り、結果に至るまでの過程・行動を評価しようというものです。

結果は氷山の一角

「結果」とは、例えるなら氷山の一角です。

海に浮かぶ氷山の、水面から見えている部分が結果。
その水面下には、見えている部分の何倍~何十倍の大きさの氷があります。

氷山の一角である結果は、その下にある様々なプロセスや行動、努力によって支えられているんです。

新人の評価で大切なこと

何かを実行して結果が出るまでの流れは、おおまかに次のとおりです。

  1. 思考
  2. 行動
  3. 結果

これは、①思考と②行動について、良い結果を残している人のマネをすることができれば、自ずと③結果がついてくることを示しています。

なぜかというと、右も左もわからない新人に、いきなり結果を残せと言われても、たいていは無茶な話ですよね。
だからこそ、思考と行動の部分の評価を重視して、結果が出やすいように導いてあげる必要があります。

現場と管理でのパフォーマンスの違い

新人とは逆に、主任やリーダークラスの人に対しての評価は、結果に比重を置くべきです。

ただ、主任などの管理職とも呼べるポジションに就いた場合、現場の時とはまた違う思考・行動が必要になります。
昇進は人を変える」とよく言うのはそういうことです。

現場と管理の立場では、発揮すべきパフォーマンスが違うんです。

つまり、職種や役割、役職によって、結果を出すための思考・行動が変わるということですね。

その部分を評価する側が理解していないと、現場で優秀だと思ってた職員を昇進させたらなんかダメだった・・・ってことになりかねません。

結果を求めるためのプロセス評価

新人を評価するためには、「結果を出せ」ではいけません。

この結果を導き出すためには、どのように思考・行動すれば良いか

これを理解できているか、実践できているかを評価のポイントとして、プロセス評価に落とし込みましょう。

それが結局、望む結果を生み出すことにつながるのですから。

まとめ

結果を出している人の思考や行動を分析し、マネをする。

これが、結果を出す新人のプロセスです。

そういう新人がいずれ昇進したときに、プロセス重視から結果重視のシフトチェンジができるかどうかで、その次の新人を適切に育成できるか否かがわかります。

介護現場でよく見る「〇〇ができる」みたいな自己評価チェックシートも、プロセス評価を用いた工夫をした方がいいと、僕は思いますね。