軽度認知障害・MCIとは?認知症との違いやスクリーニング検査について分かりやすく解説します

MCIとは?

MCI(Mild Cognitive Impairment)とは、軽度認知障害の略称です。

文字通り、軽度の認知障害が見られる人ということですが、認知症との違いは何なのでしょうか。

簡単にわかりやすく解説していきます。

MCIの定義

MCIとはどういう状態のことを指しているのか。

厚生労働省が次のように発表しています。

物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。
軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。

  1. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
  2. 本人または家族による物忘れの訴えがある。
  3. 全般的な認知機能は正常範囲である。
  4. 日常生活動作は自立している。
  5. 認知症ではない。

すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである場合です。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。

引用:厚生労働省 e-ヘルスネット

ポイントをまとめると、次の通りです。

  • 認知症予備軍(認知症ではない)
  • 主に物忘れが見られるが、他の認知機能低下はほぼなく、認知症とは違い物忘れの自覚がある

加齢による物忘れと何が違うの?って思いますよね。

私見ですが、これまで「物忘れは年相応に現れるもの」という認識が一般的だったものの、物忘れのある方の1割強が認知症に移行していたため、「これは加齢というより認知症の前兆なんじゃないのか?」と認識を改め、年相応と諦めずに対応することで、年々増える認知症患者数に歯止めを掛けることができるかもしれないと考え、MCIという診断名をつけたのではないかと思います。

事実、MCIの段階で対応したことで記憶力が改善したというケースもあったそうです。

厚生労働省では「軽度認知障害の10~15%が認知症に移行する」とされています。
しかし、「軽度認知障害となってから約5年で半数以上が認知症になる」という話もあるんです。
なんだかややこしいですが、10~15%は1年間の数字ですので、単純計算でも5年で半数以上になりますね。

軽度認知症とは違うの?

大変ややこしいことに、軽度認知症という言葉もあります。

あまり使わないと思うので気にしなくてもいいんですが、軽く解説しますね。

先述の通り、軽度認知障害(MCI)は、認知症の前段階です。

軽度認知症とは、認知症状の重さを表しており、

  1. 軽度認知症
  2. 中度認知症
  3. 重度認知症

と分けられています。

つまり、

認知症なし(正常)

軽度認知障害(MCI)

認知症(軽度・中度・重度)

ということです
なのでMCIと軽度認知症は別物ということになります。

中にはMCI=軽度認知症と言う人もいるのでほんとややこしいんですが、まあそんな大問題じゃないので、何となくわかってれば十分だと思います。

MCIを早期発見するための診断方法

MCIから認知症への進行を防ぐためには、MCIの早期発見が重要とされています。

早期発見のための診断方法に、MCIスクリーニング検査と、ApoE遺伝子検査があります。
どんな検査か、簡単に説明しますね。

MCIスクリーニング検査とは?

MCIの診断に最もメジャーな検査方法が、MCIスクリーニング検査です。

アルツハイマー型認知症の原因疾患であるアルツハイマー病では、老廃物であるアミロイドβが蓄積することで、記憶に関わる神経細胞を破壊すると言われています。(アミロイド仮説

そのアミロイドβを弱体化するたんぱく質があります。

  • アポリポたんぱく質
  • 補体たんぱく質
  • トランスサイレチン

この3種類のたんぱく質です。

7mlの採血で、この3種のたんぱく質を測定することで、MCIのリスクを判定できるという検査方法です。

ApoE遺伝子検査とは?

ApoE遺伝子とは、アミロイドβの蓄積に関わる遺伝子だそうです。
この遺伝子には4つの型があり、型によってアルツハイマー病の発症リスクが10倍以上違います。

そこで、この遺伝子の型を調べることで、発症リスクを把握することができるという検査方法になります。

スクリーニング検査同様、血液検査によってわかります。

なぜこの検査で発症リスクがわかる?

先述しましたが、MCIでは記憶力の低下がみられるとされています。

また、アルツハイマー病によるアルツハイマー型認知症では、記憶障害を主症状とされています。

つまりMCIはアルツハイマー病の前段階という認識であり、その原因物質であるアミロイドβの蓄積によって記憶障害が現れると考えられているため、これらの検査によってリスクを把握できるということです。

ただ、近年ではアミロイド仮説が疑問視される傾向にあります。
となると、この検査の効果についても疑問が浮かんてきますね。

 

費用が高いので受検のハードルも高い

MCIスクリーニング検査もApoE遺伝子検査も、わずかな採血をして2~3週間待つだけで、アルツハイマー病の発症リスクを知ることができます。

ただ、両方とも保険が適用されないため、2万円前後を自腹で払わなければなりません。

リスクはわかっても、そこから予防や治療でもっとお金がかかるかもしれないと思うと、めちゃくちゃハードルが高いですよね。

「試しに受けてみよっかな?」程度に受けれるものではありません。

簡単にできるセルフチェックリストがある

2万円も払ってまで検査を受けようと思い至るには、何かきっかけがほしいところです。

そこで、ググれば出てくる無料のチェックリストがあります。

医療関係や自治体関係で各々出しているので、「MCI チェックリスト」で検索してみてください。
(それぞれ独自に様式を作っているみたいなので、適当なものを選んでくだいね)

記憶力などに不安を感じているようであれば、そのチェックリストを確認して、その結果が怪しかったらちゃんと検査を受けてみるのもいいと思います。

まあ、チェックリストの結果が怪しかった時点で予防に踏み出せばいいとも思いますけどね。

まとめ

MCIとは、認知症の前段階、つまり認知症になる可能性がある予備軍ということです。

認知症患者数が右肩上がりに増加していく中で、それに歯止めをかけるために予防の段階に力を入れようとしてMCIの概念が生まれました。

そういう意味で、チェックリストやスクリーニング検査等を受けることは有意義かもしれませんね。

 

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