【これで完璧!】脳血管型認知症の対応

4大認知症の一つに君臨する脳血管型認知症
脳血管認知症や血管性認知症とも言います。
同じなので、好きな方で呼んでください。

認知症患者全体の20%に当たると言われており、アルツハイマー型認知症に次いで堂々の2位です。
アルツハイマー型認知症とはトリプルスコアの差がありますが。

若年性での発症も多く、新人介護士や資格を取りたい方は覚えることが多くて大変ですよね。

この記事では、脳血管性認知症の「ここだけ覚えておきましょう!」って部分と、介護業務の中で利用者さんが脳梗塞を発症した場合の対応方法についてお話ししていきます。

 

覚えておくべき脳卒中と介護職員の着眼点

脳卒中とは、脳の病気や頭部外傷によって生じる血液循環障害の総称です。
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血なども含まれます。

【脳卒中によって認知症状が見られる状態】のことを脳血管型認知症と言います。

この辺を掘り下げると覚えることが多すぎてわけがわからんのですが、介護職員として現場に必要な情報はそう多くありません。

  1. どんな症状・障害が出ているか
  2. それに伴う介助時の注意点は何か

この2点です。

「いやもっとあるわ!」

ってつっこみもあるでしょうが、それは何でもできる(ようになりたい)スーパーでキラキラな介護士さんの考えです。

何のためのチームケアなのかを考えてくださいね。

介護士の本分は介護であって、それ以外の専門知識の活用が必要なのは、【その分野の職種】の方です。

その職種同士が協力し合ってこそのチームケアであり、チームケアの目的は【利用者への適切なケア】と【支援者の負担軽減】です。
「あんたそんなことも知らないの?」とか言ってくるような人がいたら、その人はマウントをとりたいだけなので、むしろ教えを乞うて気持ちよくさせてあげましょうw

①どんな症状・障害があるか

脳卒中を起こした結果、その方に現在どんな症状・障害があるかを把握しましょう。

ただ「麻痺がある」だけではなく、固い(緊張型)麻痺か・脱力した(弛緩型)麻痺かに加え、可動域痛みの有無を確認します。

ここは看護師に情報共有してもらいましょう。

②症状・障害に伴う介助時の注意点は何か

例えば、弛緩型の麻痺がある方に上着を着てもらう介助をする場合。

確認は必要ですが、感覚まで麻痺している可能性があります。
そういう方は、上着の袖を通す時なんかに腕があらぬ方向を向いてしまったとしても、痛みを感じないかもしれません

痛みの訴えがないと、介助者は案外気付かないもので、ポッキリ折れてたことに後で気づくことになったりするんです。

 

逆に緊張型であれば、腕ががっつり胴体にくっついて固まってると思われますので、そでを通すために無理に動かそうとしてポッキリ行く可能性があります。

脱健着患(「麻痺がない方から脱ぐ」・「麻痺のある方から着る」)を守ることも大事ですね。

 

更衣以外でも、緊張型で拳を握った状態の方だと、手のひらや指がただれたりするので、こまめに洗ったり、何か手のひらサイズのものを握らせることで通気性を得るといった配慮が必要です。

目の前で脳梗塞が起こった時の介護職員の対応

介護職員をしていると、「目の前で利用者さんが脳梗塞を発症した!」なーんてこと、あるよね?

脳卒中は全部そうですが、発症したら早急に適切な対応をしないと命に関わるので、ここでばっちり、確認しておきましょう。

施設で発症したら・・・

特養などの入所施設やデイサービスなどの通所施設内で発症した時の対応方法を確認しましょう。

  1. 近くに看護師や他介護職員がいるか確認
    独りでは対応しきれないことが多い(他の利用者さんもいるでしょうし)ので、協力者を探します。
    看護師がすぐ近くにいるなら対応は任せて、周りの利用者さんに離れてもらうなど、看護師が処置しやすい環境を作りましょう。
    看護師がいない場合は、他介護職員に呼んで来てもらうよう依頼します。
  2. 適切な場所に移動
    看護師の指示に従いつつ、ベッドなど安静にできる場所へ移動します。
    この時、頭を高くしたり、移動する時に頭が揺れないよう気を付けてください
    看護師がすぐ来れない場合でも、気を付けながらベッドなどに移動しましょう。
    キャスター付きのベッドなら、近くまで持ってくるといいですね。
  3. 衣類を緩くしておく
    上着の襟元、ズボン等のウエストを緩めておきましょう。
    眼鏡や義歯があれば外してください。
  4. 今見られている症状を確認
    意識があるか身体に麻痺が出ていないか(意識がある場合)呂律は回っているかを確認します。
    呼吸が苦しそうな場合は、肩の下に丸めたタオルなどを入れて気道を確保しましょう。
    これらのどれにも該当しない場合、脳梗塞ではない可能性が高いです。
  5. 記録
    ①~④までの状況を、走り書きでもいいから、その時間と一緒に記録します。
    看護師や医師への報告に必須なので、できれば並行しながら記録したいところ。
    メモがなければ手の甲でもいいから書いておきましょう。

自宅など施設以外で発症したら・・・

デイの送迎やヘルパーが自宅を訪問したら、「家の中で倒れていた」ってこと、あるよね?

そんな時はアレ!

救急車!!

自宅では利用者さん一人ってこともあるし、近くに看護師がいないことの方が多いです。

なので、症状を確認したら、すぐ救急車を呼んで状況を説明しましょう。

かかりつけ医がわかっているなら、まずはそちらに電話しても良いです。

 

基本的にやるべきことは、施設での対応と同じです。

屋外で倒れた場合、車通りなどあるとヤバいので、風通しの良い日陰のある場所まで、頭部に気を付けながら移動します。
近くに通りがかりの人がいれば、救急車を呼んでもらうなどの協力を依頼しましょう。

まとめ

周りから介護士に求められる内容が多すぎて、大変ですよね。

知識は持っているに越したことはありませんが、一番重要なのは、いざという時に適切に行動できるかどうかです。

  1. 知識が豊富だけど口ばっかりのお局職員
  2. 覚えは悪いけどやる気満々の新人職員

どちらの方が伸びしろがあるかは言うまでもなく、②ですよね。

今回お話しした内容のように、最低限のことを極めようとしていけば、他の知識は自ずと身に付いてくると思います。

善逸くんの育手も言ってましたね、「一つのことしかできないなら、それを極め抜け」って。

そしたら、きっと善逸くんみたいに、自分にしかできない新技を編み出すことができるかもしれませんよ。