認知症ライフパートナーという資格をご存じでしょうか?
僕は最近知りました(てへ)
聞いたことはある方でも、詳しくは知らない人の方が多いかもしれません。
認知症関連の資格は、公的資格から任意資格まで見るとかなりの数があります。
この記事では、認知症ライフパートナーとはどんな資格か、取得するメリットや、1~3級の検定試験について解説します。
認知症ライフパートナーとは?
認知症ライフパートナーとは、日本認知症コミュニケーション協会が2009年に設けた資格です。
「資格をとる目的」に関して言えば、認知症関連の資格全般的に共通しています。
認知症の方がその人らしく生活するために支援するスキルを習得するためです。
まあそう言うと聞こえは良いですが、そうなるとどの資格を選んでいいのかわかりにくくなる気もしますね。
「認知症の方のために」というのはそもそも、介護職員としての前提になるので、受ける側としては、「この資格を持てば〇〇ができる」という考え方でいいと思います。
これはメリットの話になりますので、後述しますね。
取得すると何ができる?
ライフパートナーという名称通り、この資格を取得することで、認知症の方の生活・生き方、価値観を尊重しながら、本人・家族に寄り添って支援しますよという理念があります。
園芸、歌や踊りなどその人の趣味や嗜好を活用し、脳を活性化させることで「その人らしさ」を保ってもらうためのスキルを習得しようというのが、認知症ライフサポーターです。
3つのレベル
認知症ライフパートナーは1級から3級までのレベル分けあります。(1級が一番上です)
もともとは基礎検定(現3級)と応用検定(現2級)の2つだけでしたが、2016年から改変され、さらに上位の1級が創設されました。
それぞれの内容をちらっと見て見ましょう。
認知症ライフパートナー3級
3級では、専門職だけでなく、家族など認知症介護に関わる全ての人が知っておくべき、基本的な知識を学習します。
受験の要件は特になく、誰でも受けられます。
学習内容
- 認知症の原因となる病気の特徴や症状など、認知症の基本的知識
- 認知症の症状ごとの対応方法
- コミュニケーション手法
- 日常生活でのケアに活用できるアクティビティ(園芸や音楽など)
受験費用・試験の内容
3級の受験費用は6,000円です。
会場は全国の8か所くらい。
試験は2時間で実施され、マークシート式です。
合格ラインは7割程度。
認知症ライフパートナー2級
2級では、比較的専門的な知識・技術、制度の活用方法などを学習します。
まさに応用編で、これを持っていると「認知症ケアの即戦力」と認識されるようになります。
こちらも、誰でも受けられる資格です。
学習内容
- 認知症ケアに効果的な専門知識とケア手法
- 認知症予防に大切な生活習慣の改善・家族ケア
- アクティビティを用いたケア
- アセスメント方法・コミュニケーション手法
- 住環境や制度について
受験費用・試験の内容
2級の受験費用は9,800円。
2時間の試験でマークシート式という点で3級と一緒ですが、3級が午前、2級が午後に開催されるので、2・3級の併願が可能です。
認知症ライフパートナー1級
2016年に1級が創設されたことで、基本検定・応用検定が3級・2級と改名されました。
より高度な認知症支援スキルを習得しようという内容になっています。
受験するには、2級検定に合格している必要があります。
学習内容
- 専門知識を深め、判断力、情報収集力、コミュニケーション能力、マネジメント力を高める
- 地域包括ケアシステムの活用や家族支援
- 認知症予防と生活の改善につながるアクティビティケアの実践と進め方
- 居住環境における専門知識
- 認知症ケアに必要な制度の理解と活用
- 後進育成を目指したリーダーの養成
受験費用・試験の内容
1級の受講費用は14,000円です。
2・3級はそれぞれ2時間の試験時間でしたが、1級は午前・午後に2時間ずつとなっています。
午前はマークシート式で、午後は記述試験です。
難易度がグッと上がりますね。
試験会場は、1級の場合5会場に減ります。
東北(仙台だけですけど)がごっそり除外されるのは、宮城県民として得心がいきませんな。
認知症ライフパートナーを取得するメリットは?
数ある認知症関連資格の中で、認知症ライフパートナーを選ぶメリットはどんなものでしょうか。
検索すれば「認知症ケアの質が上がる」「スムーズな支援ができる」等々出てくると思います。
それは確かに間違いないかもしれません。
でもそれ、他の資格も一緒ですよね。
「質が上がる」ことは、他の資格との差別化にはなりません。
では、認知症ライフパートナーを取得するメリットは何なのでしょうか?
僕から見て「メリットだな」と思うことを2つ紹介します。
認知症アクティビティ・ケア専門士の受験要件になる
なんと、1級が創設されたと思いきや、また別に上位資格があるようです。
認知症ライフパートナーの2級か3級を取得していることが、アクティビティ・ケア専門士受験の要件のひとつになっています。
認知症ライフパートナーの説明をする中で何度か「アクティビティ」という言葉が出てきましたが、認知症の方の心身機能を活性化させるためのアクティビティを、プログラムとして組み立てて実践する資格です。
レクリエーション介護士という資格が有名ですが、より認知症の方向けということでしょうかね?
支援の幅が広がりそうなので、メリットになるかと思います。
気軽に受験できる
介護職員初任者・実務者研修の受講費を見ると、認知症ライフパートナーは費用的に比較的手を着けやすいと思います。
(初任者・実務者研修を無料で受ける方法もありますが・・・)
高くて1級の14,000円なので、英検辺りと同じか、ちょっと高いくらいですね。
「ちょっと受けてみようかな?」ぐらいでも、見分を広めることにはつながります。
勉強するのにテキスト代(検定の出題の大半は日本認知症コミュニケーション協議会の公式テキストからです)がかかりますが、まあそれはどの資格も一緒なので。
介護職員「初任者」研修を無料で受ける方法
介護職員「実務者」研修を無料で受ける方法
認知症ライフパートナーを安く受ける方法
もともと気軽に申し込めそうな費用である認知症ライフパートナーですが、さらにもうちょっと安く受けることができます。
それ以外の介護系・医療系資格も比較的安く受けることができますし、資料請求は無料でできますので、ぜひ資料請求だけでもやってみてください!
「癒し」って気になりますね。
まとめ
認知症患者の人数は、年々、国の予測を裏切る速度で増え続けています。
認知症関連の資格について調べると、どのサイトでも資格取得を激推していますよね。
どの資格でも取得することはイコール学びになるので、無駄になることは絶対ないと僕も思います。
でも大事なのは、自分ひとりが優れていれば、利用者や家族が良くなる・職場が良くなる・介護業界が良くなるなんてことはあり得ません。
一番大事なのは、あなたが学んだことを周りの人に伝達していくことです。
伝達研修なんて企画するのもいいですね。
任意の資格を自分から取りにいこうとする人は、きっと介護をより良い方向にもっていきたい人だと思いますから、ぜひ、「学ぶだけ」で終わらないようにしてほしいです。