原始時代に認知症はあったのか?

「認知症は誰でもなり得る」というのは、今や世間の常識。

高齢者がなるものだというイメージがあるかと思いますが、早ければ40代からの発症も少なくない。

では、大昔の人はどうだったのでしょう?

さかのぼること旧石器時代

旧石器時代に認知症があったのか?

多くの書籍で発表されている内容を見るに、この時代には認知症自体がなかったと思われます。

現代に見る認知症のリスクファクターから、4つの理由がわかってくるので、解説していきますね。

理由1.平均寿命

旧石器時代の平均寿命は30~31歳くらいだったと言われています。
現在の日本の平均寿命より50歳以上若い。

認知症がいかに若年性のものであっても、30歳では発症には至りません。
(脳血管障害があった場合はその限りではないですが)

現代の日本の平均寿命は85歳以上。
この50歳以上もの驚異的な伸びは、医学の進歩と人々の健康意識の増進の賜物です。

ただそれは、成人よりも、乳幼児死亡率の低下と子供の健康向上が原因として大きいと言われています。

現代の子供の多くは、病院のキレイな環境に生を受け、除菌抗菌が当たり前の世界で生きることで、重大な病気などにかかることが少なくなり、それによって寿命を削ることなく、長い人生を謳歌できるようになりました。

とは言え、そもそも人は本来140歳くらいまでは生きられるようにできているという話もあります。

そういえば少し前、日本で116歳の最長老様が亡くなられました。

140歳に至った人がいないのは、人生の中でウイルスなど様々な害にさらされてきたからということです。

理由2.運動

運動することで脳が活性化します。

旧石器時代の人は、生きるためにとにかく走らなければならなりませんでした。
食べ物を得るために、日々お手製の武器を持って動物を追いかけまわしていたんです。

だけど、走り続けるのって普通はつらいですよね?

でもこの時代、生き残るためには獲物を狩らなければならない。
野生動物を狩るには、とにかく走り続けなければならなかったので、つらいとか言ってる場合じゃありません。

そこで、神様は人間をうまく作られました。

普段から運動する習慣がある人は経験あるかもしれませんが、走るなどの運動を一定時間続けると、途中からフッと足が軽くなり、疲れを感じにくくなる。
ランナーズハイってやつですね。

その感覚の正体は、エンドルフィンやセロトニン。

セロトニンは幸福ホルモンとも言われており、安心感や平常心、頭の回転を良くするなどの効果があります。
エンドルフィンは脳内麻薬の一種であり、痛みの緩和やリラックス、免疫向上などの効果があります。

現代においては、一般的にストレス解消などのために運動することが多いと思いますが、「運動によってストレスを解消できる」というメカニズムの裏には、幸せホルモンや脳内麻薬による、こんな作用が起こっていたんです。

つまり、人間は大昔から、運動と生存本能が根底で繋がっていた
生きるためには走らなければならないから、走るのが嫌にならないようにランナーズハイになるように設計されている。

それを毎日長時間行っていたわけですから、旧石器時代の人は日々脳を活性化させていた…というか、否応なく活性化していた、と考えることができます。

理由3.食べ物

旧石器時代の食事は、肉と木の実がほとんどでした。

新石器時代から麦やあわ、稲を食べる様になっていきますが、それまでは文字通り狩猟民族。
現代の認知症のリスクを上げている小麦(グルテンを大量に含むもの)や砂糖、人工甘味料や食品添加物なんて存在しません。

ウィルスなどの脅威はあるものの、現代と比べれば食べ物による認知症のリスクはだいぶ低かったものと思われます。

理由4.肥満

運動や食べ物にも関わることですが、毎日走り続け、素材の味のみの肉や木の実を食べる生活を送ってきた旧石器時代の人間に、肥満はいません。

肥満もまたアルツハイマー病始め多くの疾患のリスクファクターになっているので、当時の人たちにはその心配はなかったんですね。

純粋に生存するために必要な栄養は、脂肪と糖質であると言われています。

これらは食べ過ぎれば当然肥満を招きます。

しかし、近年では「高脂肪ダイエット」というダイエット方法が話題になっており、万人に効果があるとは言えないまでも、高脂肪・高たんぱく・低炭水化物の食事はむしろ痩せるという話もあります。

かつ、脳の6割は脂肪でできており、適度な脂肪の摂取は脳の活性化にもつながると言われています。

現代の私たちは狩猟のために長時間走り続けることはないし、加工された脂肪や糖質に囲まれて生活していますよね。
食品添加物の存在も見逃せません。

現在の食事は
・味がいい
・保存がきく
・見た目がキレイ
など、いい事尽くめに見えます。

けど、見えないところで健康を代償にしているということが、大昔との比較によってわかってきます。

おいしいものは体に悪いけど…

味よし、保存より、見た目よしで、お腹だけでなく心をも満たす現代の食文化。

健康意識の増進からグルテンフリーやオーガニック食品が市販に並ぶことが増えたものの、便利な世の中は確実に私たちの体を蝕んでいる。

でも、それは多くの人が頭ではわかっているんですよね。

それでも離れられない。

私も周りの人にグルテンのリスクを伝えたのですが、みんな大好きなんですよ。
パンもうどんもパスタもラーメンも。

費用や長期保存の面からも、小麦は素晴らしい発明品です。

ただ、それが20年、30年後の認知症を導いているかもしれないということを、覚えておいてほしいと思います。