ケアマネとしては、サービス事業所ごとの全ての加算を把握する必要はありません。
加算の数はケアマネだけでもたくさんあるし、サービス利用表を作成するにも、その事業所に確認すれば済む話ですからね。
ただ、「こんな加算があるんだね」程度にでも把握しておくと、その後の利用時に事業所との打ち合わせが実にスムーズになります。
そういう連携がスムーズだと、相手方の事業所から「できるケアマネ」認定がもらえますので、さらっと覚えてってくださいね!
あるいは、アセスメントする中で、「こんな課題(ニーズ)があったけど、これを解決できるデイサービスはどこかな?」って考えた時に、普段なんの加算を算定しているかでそのデイの特色が分かります。
そんな風に、課題(ニーズ)解決のヒントになったりするので、ケアマネが把握しておく理由にはなると思いますよ。
この記事では、短期入所生活介護で扱われる主な加算と単位について、分かりやすく解説していきます。
短期入所生活介護の基本報酬
加算を知る前に、短期入所生活介護で算定する短期入所生活介護費=基本報酬について知っておいた方が良いですね。
基本報酬とは、利用者さんに請求する料金の内、最低限算定できる部分になります。
「オプションなしの料金」ってところでしょうか。
ショートステイなどの入所系サービスは、利用者さんの要介護度によって料金が変わります。
さらに、施設及びその居室には種類がありますので、料金体系は多岐にわたります。
ここではスルーしますので、まずは報酬の名前と単位だけ覚えて帰ってくださいねー!
短期入所生活介護費
短期入所生活介護費には、施設の種類として単独型と併設型があります。
そして、それぞれ居室の種類に従来型個室と多床室があります。
以下は1日分の単位数です。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | ||
単独型 短期入所 生活介護費 | 単独型短期入所 生活介護費(Ⅰ) 【従来型個室】 | 638単位 | 707単位 | 778単位 | 847単位 | 916単位 |
単独型短期入所 生活介護費(Ⅱ) 【多床室】 | 638単位 | 707単位 | 778単位 | 847単位 | 916単位 | |
併設型 短期入所 生活介護費 | 併設型短期入所 生活介護費(Ⅰ) 【従来型個室】 | 596単位 | 665単位 | 737単位 | 806単位 | 874単位 |
併設型短期入所 生活介護費(Ⅱ) 【多床室】 | 596単位 | 665単位 | 737単位 | 806単位 | 874単位 |
それぞれのⅠ・Ⅱでは単位数は同じですね。
ユニット型短期入所生活介護費
ユニット型短期入所生活介護費にも同じく、単独型と併設型があります。
ただし居室の種類は、ユニット型個室とユニット型個室的多床室という、いささかややこしい感じです。
同じく1日分の単位数です。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | ||
単独型 ユニット型 短期入所 生活介護費 | 単独型ユニット型 短期入所 生活介護費 【ユニット型 個室】 | 738単位 | 806単位 | 881単位 | 949単位 | 1017単位 |
経過的単独型 ユニット型 短期入所 生活介護費 【ユニット型 個室的多床室】 | 738単位 | 806単位 | 881単位 | 949単位 | 1017単位 | |
併設型 ユニット型 短期入所 生活介護費 | 併設型ユニット型 短期入所 生活介護費 【ユニット型 個室】 | 696単位 | 764単位 | 838単位 | 908単位 | 976単位 |
経過的併設型 ユニット型 短期入所 生活介護費 【ユニット型 個室的多床室】 | 696単位 | 764単位 | 838単位 | 908単位 | 976単位 |
こちらも経過的か否かによらず単位数は一緒です。
名称がややこしいですね。
短期入所生活介護の主な加算一覧
短期入所生活介護で算定する主な加算について解説します。
※算定しているケアマネ視点で把握しておくべき加算をピックアップしてますので、加算の全てではありません。
また、入所系サービスに初回加算はありません。
送迎加算
送迎加算とは、サービス利用に当たり、施設側で送迎を行った場合に算定できる加算です。
片道186単位です。
通所サービスの送迎は基本報酬に含まれていて、送迎しなかった場合は減算という形をとっていますが、ショートステイの場合は「送迎したら加算」です。
看護体制加算
看護体制加算は、看護師の配置状況により算定できる加算です。
Ⅰ~Ⅳまでありますが、ⅢとⅣはそれぞれ2種類あります。
- 看護体制加算Ⅰ:1日4単位
- 看護体制加算Ⅱ:1日8単位
- 看護体制加算Ⅲイ:1日12単位
- 看護体制加算Ⅲロ:1日6単位
- 看護体制加算Ⅳイ:1日23単位
- 看護体制加算Ⅳロ:1日13単位
Ⅰ~Ⅳは併用可ですが、イとロの併用は要件上できません。
夜勤職員配置加算
夜勤職員配置加算は、各施設に入居している利用者の人数に応じた夜勤職員(介護職・看護職)がどう配置されているかで算定できる加算です。
- 夜勤職員配置加算Ⅰイ:1日22単位
- 夜勤職員配置加算Ⅰロ:1日13単位
- 夜勤職員配置加算Ⅱイ:1日27単位
- 夜勤職員配置加算Ⅱロ:1日18単位
- 夜勤職員配置加算Ⅲイ:1日28単位
- 夜勤職員配置加算Ⅲロ:1日16単位
- 夜勤職員配置加算Ⅳイ:1日33単位
- 夜勤職員配置加算Ⅳロ:1日21単位
いずれも併用できません。
療養食加算
療養食加算とは、利用者さんの年齢や心身の状況に応じて、適切な栄養管理や療養食を提供した場合に算定できる加算です。
管理栄養士の配置が必要になります。
1日3回を限度に、1回8単位。
療養食とは、心疾患の方の塩分・水分管理や、糖尿病の方のカロリー調整等のことです。
要件にはありませんが、主治医から摂取制限の指示があることを確認する必要があります。
緊急短期入所受入加算
緊急短期入所受入加算とは、ケアプランによる計画にない、緊急的なショートステイ利用をした場合に算定できる加算です。
1日につき90単位で、7日間が限度です。
ただし、介護者である家族等の疾病等やむを得ない事情がある場合は、14日間までを限度に算定できます。
コロナ過では一時的に、4日間を限度に全てのショートステイ利用者に対して算定していましたね。
ちなみに、主治医が認める重度の認知症状のため在宅生活が困難になった方を受け入れた場合、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定できるんですが、その場合は緊急短期入所受入加算は算定できません。
認知症行動・心理症状緊急対応加算は1日200単位算定できます。
個別機能訓練加算
短期入所介護ではデイサービスのように、基本サービスとしてみんなで体操したりレクしたりはしませんが、個別機能訓練加算は、本人の状態に合わせた機能訓練を個別に行ってもらえるオプションサービスによって算定されます。
デイと違い、1日56単位のみです。
生活機能向上連携加算
生活機能向上連携加算は、簡単に言うと個別機能訓練加算の更なるオプションサービスです。
個別機能訓練加算はデイやショートステイに配置されている職員で完結できる加算ですが、生活機能向上連携加算は、医療施設や通所リハなどの理学療法士に来てもらったり助言をもらうなどすることで、より専門的な機能訓練が行えるというものです。
- 生活機能向上連携加算Ⅰ
100単位/月
※3か月に1回だけ算定できる - 生活機能向上連携加算Ⅱ
200単位/月
※個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月
Ⅰ・Ⅱの併用はできません。
ショートステイ利用時の2つの注意点
ショートステイ利用に際して、ケアマネが特に注意するべきことが2つあります。
①介護認定有効期間の縛り
介護認定を受けている以上、有効期間があるのはご存知だと思います。
原則として、ショートステイの合計利用日数が、その有効期間のおおむね半数を超えないようにしてねという縛りです。
有効期間が1年間なら、半年以内にしましょうってことです。
絶対超えちゃダメってことではなくて、超えざるを得ない事情がある場合は、申請により許可されます。
事情とは、本人が在宅生活が困難ということはもちろんですが、介護者がいない、疾病等で介護ができない、家族から虐待を受けているなどの理由で自宅にいられない状況である場合に、施設入居の申し込みをしているも返事待ちである場合を指します。
そんな事情があるなら、半数に達する前にあなたの市町村指定の書類を揃え、申請を出すようにしましょう。
半数を超えた途端に注意されるようなことはありませんが、後回しにするとケアプラン点検や実地指導でツッコまれること請け合いなので、半数を超える見込みがある時点で申請するようにしておきましょう。
②30日の縛り(短期生活長期利用者提供減算)
ショートステイを30日以上連続で利用すると、減算が発生します。
31日目から1日30単位減算となります。
それが短期生活長期利用者提供減算です。
しかも、31日目の1日分は利用者さんの実費(10割)払いになります。
例えば、4月10日にショートステイ利用開始し、6月10日までの2か月間利用したとします。
4月10日から5月9日までは通常のショートステイ料金ですが、31日目である5月10日の1日分は利用者さんの実費支払いになり、その翌日の5月11日から30単位の減算が始まります。
実費対象は基本報酬だけじゃなく、加算にも適用されます。
6月10日退所の場合、その日が実費対象です。
送迎加算も実費になってしまうので、退所日を前後にずらした方が良いでしょう。
「やむを得ず長期利用するけど実費は避けたい」という場合は、上の画像で言えば、5月9日に一旦退所し、1日置いた5月11日に再度ショートステイ入所する必要があります。
要は、2泊分自宅へ過ごすことになります。
なぜ1泊じゃだめなのかというと、この利用票で見る報酬請求の日数が、ショート利用初日から30日を越えてしまう場合に実費が発生する仕組みだからです。
なので、5月9日に退所しても翌日の5月10日に入所すると、利用票上では毎日利用しているという計算になるというわけです。
「短期入所の長期利用」ってややこしいですが、本人・家族への説明と承諾なしに利用してしまうと、後でトラブルになるので気を付けてください。
まとめ
短期入所生活介護の加算は、施設サービス故かけっこう複雑ですね。
これ以外の加算・減算もあるので、利用する際は必ず事業所に確認しておきましょう。
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