誤嚥性肺炎の原因と対策を徹底解説!高齢者の口腔ケアの重要性

介護の仕事をしていく上で、摂食嚥下障害を抱える利用者さんとは、必ずどこかで関わると思います。

摂食嚥下障害を引き起こす原因は、主に次の4つの合併症です。

  1. 誤嚥性肺炎
  2. 低栄養
  3. 脱水
  4. 窒息

正確には、これらに対する対応を間違えると、摂食嚥下障害を引き起こす・悪化させることになるんです。

 

この記事では、誤嚥性肺炎について解説していきます。

その中で、間違いやすい「誤嚥」と「誤飲」の違い、なんだかよくわからない「誤嚥性肺炎」と「嚥下性肺炎」の違いについてお話しします。

誤嚥性肺炎とは

誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって気管に食べ物や唾液などが入ったことがきっかけで発症する肺炎のことを言います。

主な症状は咳・発熱・呼吸困難

特に高齢者の場合、そんな主症状が見られない場合があります。
それを不顕性(ふけんせい)誤嚥と言います。

 

誤嚥と誤飲の違い

誤嚥とは

誤嚥とは、食べ物や飲み物、唾液、逆流してきた胃液や嘔吐物などが気管に入り込むことです。

誤飲とは

食べ物じゃないものを飲み込んでしまうことです。
誤嚥みたいに「肺に入る」のではなく、「飲み込んじゃう」ことね。

認知症状から、目の前にある小物などを口に入れてしまい、それを飲み込んでしまう感じですね。
僕も昔、飾ってあった野菜の置物をもぐもぐしてるおばあちゃんと揉めたことがあります(;´Д`)

赤ちゃんなんかもやりがちですね。

 

誤嚥と誤飲の違いは、それが食べ物・飲み物であるか否かと、口に入ってからの行き先が肺か胃かということです。

誤嚥】食べ物・飲み物が肺に入り込む
誤飲】食べ物・飲み物以外のものを飲み込んでしまう
食べ物以外のものが肺に入ったら、「誤飲して誤嚥した」ってことですかね?

誤嚥性肺炎と嚥下性肺炎の違い

どちらかというと誤嚥性肺炎の方が良く聞くかなと思いますが、たまに、主治医意見書に書かれている既往歴なんか見てみると、「嚥下性肺炎」と書いてあることがあります。

これらの違い・・・

実は・・・

 

違いはありません(; ・`д・´)キリッ

 

同じものです。

「誤嚥」は気管に入り込むこと、「嚥下」は普通に飲み込むことって感じでそれぞれ説明できますけどね。

強いて言うなら「誤嚥性肺炎」は気管に入り込んだことによる肺炎、「嚥下性肺炎」は嚥下機能低下が原因で引き起こされる肺炎・・・ってとこかな?

これはもう言い方の問題で、結果的な意味は同じです。

どっちで書いてあったとしても、気にする必要はないでしょう。

「食べ物を誤嚥することで起こる肺炎」ってのはウソ

誤嚥とは、「食べ物や飲み物が気管に入り込むこと」とお話ししました。

しかし、飲食物が肺に入り込むことで肺炎が起きる・・・とはちょっと違うんです。

 

実際のところ、ただ異物が肺に入り込んだだけでは炎症は起きません。

苦痛はありますが。

風邪でのどが炎症を起こすのは、ばい菌やウイルスのせいだってことはわかりますよね?
それと同じで、肺にばい菌などが入り込むことで、炎症を起こすんです。

食べ物にもばい菌などがついている可能性はあります。
その食べ物が肺に入るってことは、ばい菌も肺までお供いたしますってことです。

 

冒頭で、

誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって気管に食べ物や唾液などが入ったことがきっかけで発症する肺炎のことを言います。

と説明しました。

食べ物だけでなく、「唾液」が入り込むことでも肺炎が起こる可能性があるんです。

 

あなたは、夜寝る前に歯磨きしてますか?

念入りに磨いて、十分にうがいをして、きれいな状態で寝てるかな。

 

はい、その状態で一晩ぐっすり眠って、朝。

口の中はどうなっていると思います?

 

う〇ち10g分のばい菌がうごめいているんです。

 

起きた時に口が臭かったり、粘ついてる時があるのはばい菌のせいです。

なので、毎日の口腔ケアはほんとにもう必要不可欠ですよ。

だって口の中うん〇なんですよ(゚Д゚;)

 

食事中に読んでくださった方、申し訳ありません。

 

歯磨きは食後?

寝た後でなくても、時間の経過によってばい菌は繁殖します。

1~2時間、水も飲まないでいると口くっさくなりますよ。

特に、口の中が乾燥している方、非経口摂取(点滴・胃瘻など)の方などは、唾液による洗浄効果も薄く、ばい菌が繁殖しやすいんです。

その状態で食事をする、寝ることは、誤嚥性肺炎発症のリスクファクターそのものです。

 

歯医者さんなんかもよく言ってるんですが、理想は食前食後の歯磨き

少なくとも、摂食嚥下障害をお持ちの方であれば、一番重要なのは食前です。

口の中のばい菌を少しでも減らすことが、リスク軽減になります。

 

介護施設だと、利用者さん全員食前食後に口腔ケアするのは大変かもしれません。

こちらとしては、ぜひ食前の口腔ケアを実施してほしいんですが、どうしてもできないという場合は、殺菌成分のある緑茶やお茶ゼリーなどをむせないように摂ってもらい、口を潤してから食べ始めましょう。

 

もちろん食後は食後で、食べ物のかけらが口の残っていれば危険だし、食べ物のカスがばい菌繁殖の原因になるので、やっぱり口腔ケアしましょう。

 

誤飲も危ない

誤飲したら当然、お腹痛くなったり、角張ったりとがったものなんかだと、消化器を傷つけて出血を伴う可能性もありますね。

それに加えて、やっぱりばい菌も付着しています。

周りにある物の清潔を保つことも大事です。

特にこのコロナのご時世(-_-;)

 

とにもかくにも誤嚥性肺炎の発症を抑えるには、ばい菌を減らすことが一番なので、その対策のひとつとして、口腔ケアはこれでもかっていうほどやりましょうね。

 

まとめ

  • 誤嚥と誤飲の違いは、口に入れるものが食べ物かそれ以外か、肺に入るか胃に入るかの違い
  • 誤嚥性肺炎と嚥下性肺炎は同じもの
  • 肺炎のリスクファクターは食べ物じゃなくてばい菌ですよ

というお話しでした。

摂食嚥下障害は根が深いので、しっかり勉強して、誤嚥性肺炎を防げるよう頑張りましょう!