ユニットリーダーや介護主任必見!新人の心理を知ればミスを減らせる

「即戦力になるような人材なんて存在しない。
だから育てるんだ」
スティーブ・ジョブズ

介護業界で働いていて、介護職経験のある人が入社するって時、

「即戦力だな」

って言う人、周りにいませんか?

確かに、経験者であれば、新人よりは教えることが少なくて済みます。
ただそれは、介護技術などの基礎を教える手間が省けるだけの話です。
基礎ができてることが戦力になるかというと、それは違います。

ご存知の通り、慢性的な人材不足に悩む介護業界では、教育の手間すら惜しんでしまう傾向にあります。
なので、基礎もない新人職員にすら、いきなり満点の出来を求めようとするんです。

それはもちろん、ある程度勤続年数のある職員に対しても同じです。

ということでこの記事では、満点を求められるが故に精神を追いやられがちな介護職員の心理について、僕の見解を述べたいと思います。

ミスが多い10年選手のAさん

新人にミスはつきものですが、それをあからさまな減点対象にする上司って未だに多いですよね。
介護業界の闇のひとつだと思います。

しかし、5年や10年も勤続している職員がミスした場合、多少減点になるのはまあやむを得ないです。
「いい加減覚えろよ!」って思われますよね。

今回は勤続10年のAさんをご紹介しますね。
※Aさんはフィクションです。

施設に勤めて10年のAさんは業務上でのミスが多く、
時には利用者さんに悪影響のあるアクシデントを起こすこともありました。
少々精神的に弱く、仕事の中でも落ち込むことがあります。
ミスが続けば、自責の念もあるでしょうが、最初は優しかった上司も次第に怒るようになってくるので、余計に落ち込む日が増えていきます。

人材確保したい上司とミスを連発するAさんの心理

リーダーや介護主任など上司側としては、多少ミスされても、人材確保したいという気持ちもありますので、どうにかAさんのやる気を引き出しつつ、ミスを減らせるようアプローチします。

コロナ前なんかは飲みにつれてったりもしたのでしょうが、コロナ禍ではそうはいかないので、たいてい職場でのやり取りですね。

やる気を引き出すには、闇雲に褒めたり慰めたりするのではいけません。
それでやる気を出したとしても、一時的なものでしかないからです。

ミスを連発する人の心理としては、自己肯定感の低下が主であると言われています。
「自信がなくて大人しい」というよりは、「大人しくてもプライドが高い」人が多いと思います。

じゃあ褒めたり慰めたり、フォローすれば伸びるんじゃないの?
と思いたくなるところですが、そうとも限りません。

Aさんは、何もテキトーに仕事をしているわけではありません。
ミスを連発する人はたいてい、その都度「ミスしないように・・・」と自分に言い聞かせながら、それでもミスしてしまっているんです。

「ミスしないように」と言い聞かせるということは、「自分はミスするのが当たり前」と思い込んでいるのと同義です。
つまり、自己肯定感が低いということですね。

そんなAさんに上司が
「君は頑張ってるよ!次はきっと大丈夫!」
と言ってくれたとしても、Aさんが成功するイメージを抱けない限り、ミスを防ぐための確認ができずに同じことを繰り返すだけです。
褒めてもらえたのにまた同じミスをしてしまうと、さらに自己肯定感を下げたり、「大丈夫って言ったのに!」と責任転嫁してしまうことになります。

資格取得を勧められたAさんの心理

ある日Aさんは、喀痰吸引等研修を受けました。

上司に「受けてみる?」と聞かれて、「はい」と答えた流れです。

上司としては、「やる気になってくれた」と嬉しくなります。
喀痰吸引等研修を修了すれば、夜間の看護師がいない時間帯でも介護職員が痰吸引できるので、Aさんの仕事の幅を広げることができます。
勤務表作成も少し楽になりますしね。

ただ、Aさんの場合、
ぜひやらせてください!
と意気込んだわけではないんです。

ミスを連発しているAさんは、職場の人間に対して負い目を感じている可能性が高いです。
なので、「言われたから頷くしかない状況」に自分を追いやってしまいます。

合格率7割にパスできなかったAさんの心理

喀痰吸引等研修は最後に修了試験があります。
合格率は7割程度だそうで、そこまで難しいものではないとされています。

Aさんは残念ながら、パスできませんでした。
もしかすると、普段のミスをする癖が出ちゃったのかもしれません。

社会人として当然(・・・なんて言葉は僕は好きではありませんが)、その結果を上司に報告する必要があります。

Aさんはお昼の休憩時間に、上司に報告しました。
すると、上司はちょっとご立腹のご様子。
パスできなかったからではありません。
出勤後すぐに報告に来なかったことに腹を立てたんです。

その場でAさんが怒られたかどうかはともかくとして、社会人の常識を挙げるなら、報告は早めに行くべきでした。
なぜAさんは出勤後すぐに報告に行かなかったのでしょう?

「怒られる」と思ったからです。
(「呆れられる」でもいいですけど)

「そうそう落ちない試験」に落ちたとなれば、自分の評価が下がると思っちゃうのは仕方ありません。
それが分かっていて、でも報告はしなければいけない状況にあれば、精神的に弱いAさんはきっと足がすくむ思いをしていたでしょう。

こういう心理状況にある人間は、例えば業務中アクシデントに遭った時、実際は自分の過失であったとしても「やむを得ない状況だった」的な虚偽の報告書を作りがちなんです。
まあ、そうして作った報告書は穴だらけだったりするので、優秀な上司にはすぐバレますけどね。

Aさんの心理に見る職場環境

Aさんの自己肯定感の低さは、何によって生まれたものなのでしょうか?

研究によっては、「親との関係」にまで遡ると言われています。
怒られることもそうですが、過度な期待を受けてきた場合にも陥りやすいのだそうです。

仮に親との関係に問題がなかったとしても、社会に出てから挫折するなんてことはよくあります。
学生の時分に壁にぶつかった経験が少ないと、大人になってから苦労しますよね。

Aさんが後者の【社会に出てから挫折した】ケースだったとして、挫折の原因はおおむね、人間関係にあります。

  • 同期や後輩が自分より優れている・出世した
  • 何をやっても怒られる
  • 自分の意見が通らない
  • 相談できる人がいない

ミスをしやすい原因の1つは、周囲とうまく連携がとれないことにあります。
(ちなみにもう1つは、ただの不注意です)
周囲との連携はそれこそ「社会人として必要最低限」と思われがちですが、それはコミュニケーションが得意な人の言い分です。

もともと口数が少ない、人に頼れないなどコミュニケーションが苦手な人にとって、【社会人としての最低限】が果てしなく重いんですよね。

ちなみに、仕事はできるのにコミュニケーションが苦手な人は、「自分がやった方が早い」って言って、全部自分でやりがちですよね。
そういう人は、介護士単体としての評価は高いでしょうが、リーダーなどには向かないので、出世しにくいです。
昔、施設内の匿名アンケートで「介護士一人一人のレベルは高い」なんて言葉をよく見かけましたが、一人一人がいくらハイレベルでも、チームとして機能していなければなんの意味もありません。

満点を求めるから人が育たない

冒頭でスティーブ・ジョブズの名言を紹介しました。

「即戦力なんて人材は存在しない」

では「即」はあきらめるとして、皆が期待する「戦力」とはどの程度のレベルを指すのか・・・

そう聞くと、誰もが「基本ができていれば・・・」と答えるでしょうが、それは建前でしょう。

本音で求めているのは、満点介護士です。

新人に求める満点

施設では、新人はまず人手のある日勤から慣れていきます。
日勤での成長具合を見て、夜勤を始めたり、その他の業務を任せたりしますよね。

僕の周りでもよく聞くんですけど、「あの子にまだ夜勤は無理」というケース。

や、わからんでもないんですよ。
施設の夜勤=ひとり立ちなので、日勤の業務をうまくこなせないようでは、ほぼ一人になる夜勤で利用者さんを任せるのはどうしても不安になります。

生の人間(しかも要介護者)を相手にするのに、不備があってはなりません。

故に、介護業界は満点を求める減点方式なんです。

経験者に求める満点

逆に経験者が転職・異動等してきた場合、初日から数日後には夜勤をやらされている職員もいます。
即戦力扱いですね。

どんなに知識・技術のある経験者でも、利用者情報の把握には当然時間がかかるので、人員不足であろうとも、それは無茶があります。

それで何かミスを起こし、「期待外れ」なんて陰で言われたりするんですよ。
やだやだっ。

人を育てるのは壁と脚立

満点を求めるということは、その人が壁にぶつかっても、自力で乗り越えることを望むということです。

できる人はできるでしょうけど、最初からできるのはごく一部ですよ。
経験者でも、利用者が変われば一から始めなければいけないのだから、一人で乗り越えるのは難しいです。

かと言って、周りが壁を全部とっぱらってしまっては、「お膳立てしないとできない人」になってしまいます。

人材育成にまず必要なのは、適度な壁です。
高すぎず低すぎずな壁が理想です。

最初の壁を一人で乗り越えられないと判断したら、「これだけあれば一人で乗り越えられるかな?」程度の高さの脚立を用意してあげましょう。

脚立ってなんだよって話ですが、それは、あなたがAさんのような職員の理解者になってあげることです。
相談に乗って、乗り越えるためのちょっとしたヒントをあげる。
それが脚立になるんです。

ヒントを得て、自分で考え、壁を一人で乗り越えることが理想的な育成の形なんですが、実際には、壁を取っ払ってしまう、あるいは「これぐらい自分で考えて」と丸投げしてしまう上司の方が多いように思います

まとめ

減点方式になりがちな介護業界にあって、10年も自己肯定感を下げ続けてきたAさんを育てるにはどうすればいいでしょうか。

Aさんにもいろんな側面があるので、「〇〇しましょう」なんてテンプレはありませんが、Aさんの能力だけでなく、心理にも視野を広げてみると、自己肯定感を下げずに済む方法が見つかるかもしれません。

人間相手にミスありきで挑戦することは確かに無茶ですが、乗り越える壁があってこその成功体験です。

先輩や上司に、「責任は俺がとるからやってみな」なんて言われたら、Aさんはきっと「煉獄のアニキ!おいらを弟子にしてくだせえ!」と言ってモチベを上げてくれること請け合いです!(ここは流して結構ですw)

職員にしても利用者にしても、人間を救うのはやはり人間なので、あなたにAさんのような部下・後輩がいるなら、よしなによろしくお願いします。

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