トイレ介助でのひと工夫で下剤に頼らず便秘を改善する

現代のトイレは、日本でもほとんど洋式です。

若い人は和式トイレの使い方がわからないそうで。
ジェネレーションギャップですね。

なぜ洋式トイレが選ばれるのか。

もちろん、「座るのが楽だから」ですよね。
ウォシュレットユーザーは洋式一択ですしね。(ポータブルのウォシュレットもあるそうですが)

僕の、体格の良い友達は「和式に座れない」と言ってました。

 

ですが残念ながら、実は洋式トイレはスムーズな排便を妨げる可能性が高いんです。

 

便秘症の方!

便秘がなかなか改善しないのは洋式トイレのせいかもしれませんよ!

コンペイ
お通じの話なので、お食事中の方は、食事を終えて落ち着いてからご覧ください(;^ω^)

洋式トイレに座る姿勢が便通を妨げる

腸以外の排便に関わる器官

排便に関わる器官は腸だけではありません。

骨盤低筋群っていう部位があるんですが、これが固くなると、腸の括約筋がうまく働かず、便の出口を開いてくれなくなります。

出口が開かなければ当然便は出てこれないので、便秘になるんです。

また、よく「腹圧をかけると良い」と言いますが、これは、お腹を圧迫することで腸にある便を押し出すためです。
お年寄りの多くは腹筋が低下していますが、腹筋に力を入れることで筋肉が固くなり、それによって腸に圧をかけるわけですね。

でも実際、お年寄りよりは筋力があるはずの若い人でも便秘になる場合があるので、腹筋の「対便秘効果」はさして高いとは考えられません。

 

お通じに良くない姿勢

普通に椅子に座る場合、良い姿勢というのは背筋を伸ばし、体幹と大腿が90度になる状態を言います。

しかしトイレ中においては、90度に座ることでかえって便の出口を塞いでしまいます。

上体がピンとしていると骨盤底筋群が後ろに引っ張られて、出口がキュッとしまっちゃうんです。

汚い話ですが、「やばい!漏れる!」ってぐらい催すと、座ってられなくて、立って背筋ピーンってなりません?

そうすると骨盤底筋群が後ろに引っ張られるので、ちょっと出にくくなるんですよ。

人は本能でそれをわかっているんですね。

逆に言うと、やっぱり座った状態は排便しやすくなる姿勢なんですね。

 

お通じに良い姿勢

ではお通じしやすい姿勢とはどんなものか。

まず前提として、立位よりも座位です。

 

介護をやってると、トイレに座って前傾姿勢になるといいって聞いたことがあるかもしれません。

確かにそれは正しいんですけど、その理由はご存知ですか?

 

恐らくは、「前かがみになることで腹圧がかかるから」というのが一般的かと思います。

それもまた間違いではないんですが、先にお話ししたように、腹圧の効果は必ずしも高いというものではありません。

まあ先ほど答えを言ってるんですけど、やはり骨盤底筋群の動きがポイントになります。

先ほどとは逆の動きをするということなので、骨盤底筋群が前方に伸びていき、便の出口を広げてくれるというわけです。

なので、立位よりも座位、座位の中でも前傾姿勢というわけなんです。

 

要介護状態の人などは、前傾するとそのまま転がってしまうかもしれないので、支えがあると安心ですね。

腹筋の力も活用したい場合はなるべく自分の力で姿勢を保ってもらった方がいいんですけど、逆に排泄に集中できない可能性もあるので、ケースバイケースで対応していくのがいいでしょう。

 

和式トイレはアメイジング

今や片田舎でしか見られない和式トイレではありますが、実は排便するのに理想的な姿勢がとれるんです。

画像の通り、しゃがむ姿勢になるので、洋式の場合の前傾姿勢と同じ・・・いや、それ以上の鋭利な角度をたたき出します

すると当然骨盤底筋群は前方にびょんびょん伸びるので、その分便の出口も広げてくれるんです。
腹圧効果もすごく高い。

 

今はあまり見かけませんが、ヤンキーの人は道端にしゃがんでにらみをきかしてたことが、昔はよくありました。

「ヤンキー座り」なんて言いましたが、和式トイレに座る姿勢とほぼ一緒ですよね?

なので当時、特に小学生なんかはみんな「う〇こ座り」なんて言ってました( *´艸`)

 

ただやっぱり、和式トイレは使用中の負担が大きいので、少なくとも介護を受けるお年寄りには難しい場合が多いです。

ていうかもう、あえて和式をチョイスする猛者は今後出てこないでしょうね。多分。

 

ちょっと現実的ではないかもしれませんが、洋式トイレで和式に近い姿勢をとる一番の方法はこれです。

高めの足台を置いて、しゃがんだ状態に近づける形になります。

負担が大分減るので、足腰が弱い方でも安心!

 

まあでも、この姿勢で尿が出るとほぼ確実にコースアウトするので、おすすめはできませんね(;・∀・)

 

トイレに座った時のひと工夫介助

結論から言うと、何度もお話しした通り洋式トイレでも座ったら前傾姿勢になるってことです。

そこでさらにひと工夫してほしいんです。

 

トイレに座ってもらったら、一度骨盤を後傾させます。

後ろから利用者さんの骨盤に手を添えてもらって、整体でもするように後傾させるのが理想なんですが、一度後ろによりかかるようにしてもらってもいいです。

後傾させた後に、前かがみになってもらいます。

これだけ!

 

「骨盤が後傾する=立位に近い状態」です。

それはつまり、「骨盤底筋群が後ろに引っ張られる」でしたね?

この時、便の出口は確かにキュッとしちゃうんですが、その代わり腸の内径が緩みます

 

その後に前かがみになることで、今度は骨盤底筋群が前方に伸びて、便の出口が開き、腸の内径が締まります

これによって、(大げさに言うと)疑似的な腸の蠕動運動を起こすことになり、便の運びが良くなるんです。

 

これだけで便秘が解消されることが結構あるので、試してみてください!