新人ケアマネとして活躍するあなた。
覚えること、山ほどありませんか?
- ケアマネ試験合格からの実務研修
- ケアマネ事業所の上司・先輩の指導
- ケアマネになってからの研修(専門研修・更新研修含む)
これだけでも情報量が多すぎてそうそう覚えられたものではありません。
しかし、ケアマネの大変なところは、十分な研修や指導を受ける前に独り立ちすることが多いということです。
さらに言えば、研修の内容だけでは対応しきれないことが、序盤からドバドバやってきます。
僕も新人の頃、それでさんざん悩まされました。
そんなあなたのお役に立てればと思い、僕の体験を交えつつ、ケアマネとしての基礎知識を徹底解説していきます。
この記事では、境界線がわかりにくくて取り扱いに困る、ケアプランの軽微な変更についてお話します。
ケアプランの軽微な変更とは?
通常、ケアマネ業務の流れは、おおむね次のようになっています。
- 利用者との面談・相談受付(インテーク)
- 居宅介護支援の手続き(契約)
- 課題分析(アセスメント)
- 居宅サービス計画書の作成(ケアプラン)
- 関係者からの意見徴収(サービス担当者会議)
- 利用者の状態・サービス利用状況確認(モニタリング)
もちろん、もっと細かい業務がちらほらありますけどね。
初回の場合、まず①⇒⑥を一連の流れとします。
それ以降は③⇒⑥を繰り返していく形です。
厳密に言うと、⑥モニタリングにおいて支援内容に変更の必要性が生じた場合、③アセスメントをし直してケアプランに反映するのが基本です。
ケアプランができたらサービス担当者会議も?
めんどくさーい!
「だったら、多少アレでも今のサービスのままにしちゃお!」って思っちゃいそうですよね。
居宅(介護予防)サービス計画を変更する場合には、原則として、(中略)規定されたケアプラン作成にあたっての一連の業務を行うことが規定されているが、利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。
軽微な変更に該当する具体例
ケアマネ業務の中で、何が軽微な変更に該当するのかは知っておいた方が絶対に良いです。
正式に規定されている具体例についてお話しします。
先に注意点として、以下の具体例はあくまで例であって、自分の独断で軽微な変更扱いにしていると、まれに「それ違うんじゃない?」とツッコまれることもあります。
あなたが業務を行う中で、「これマッチしてるな」と思ったら、独断で進めず、同僚・上司やケアプランに盛り込んでいるサービス事業所の方と相談して決めた方が無難ですよ。
サービス提供の曜日変更
利用者の体調不良や家族の都合などの臨時的・一時的なものによる、サービス利用日(曜日や日付)だけの変更。
変更がその月だけとか、数日だけとか一時的なものであれば、軽微な変更に該当します。
今月から月曜日→木曜日に変更したとして、その後もずっと木曜日のままにする場合は軽微な変更に該当しないっぽいので、その辺の解釈を間違うと危ないですね。
訪問介護などで、普段は13時から利用のところを、何かの都合でその日だけ14時からに変更した場合なども該当しますよ。
サービス提供の回数変更
利用する事業所はそのままで、週1回だけ回数を増やす or 減らす場合。
2回以上の増減は、基本的に「利用者の状態に大きな変化があった場合」の対応と判断されるので、その時はアセスメントからのリスタートです。
あと、僕が実際に市職員から受けた指摘なんですが・・・。
もともと通所を週1回利用していた方の利用回数を週2回に増やした際、「週1回の追加」なので、軽微な変更として取り扱いました。
すると市職員から、
週1回から2回だと、回数が「2倍」になってるので、軽微な変更には当たらないと思います。
「2倍」ですので。
と話されました。
週2回→3回は良くても、週1回→2回はダメらしいです。
正直これは今でも意味がわからないご指摘でしたが、あなたが週1回から2回に増やす変更をする時、万が一指摘を受けたら「以後気を付けます」って返しておけばいいと思います。
利用者の住所変更
利用者が引っ越しなどで住所を変更した場合。
ケアプラン内容にはほとんど影響しない事なので、軽微な変更に該当します。
要支援者の場合、基本情報の変更として地域包括支援センターへの書類提出が必要な場合がありますので、あなたの市で必要かどうかは確認しておきましょう。
事業所の名称変更
利用している事業所の名称が変更になる場合。
変わるのは名称だけで、提供するサービス内容に変更がない場合は、軽微な変更に該当します。
目標期間の延長
ケアプラン第2表で設定した目標期間が満了になる際、目標自体には変更がなく、その期間のみを延長する場合。
長期目標の期間が満了になるのは、おおむね認定の有効期間満了と同じに設定するケアマネが多いと思いますので、その時は認定の更新と併せて必ずアセスメントからリスタートです。
短期目標の期間だけが満了になる際に、短期目標やサービス内容に変更がなく継続していく場合は、延長する期間を設定し直して軽微な変更として取り扱えます。
ただ、認定や長期目標満了までずっと同じ短期目標のまま更新し続けると、「あんた改善する気あるの?」とツッコまれるかもしれないので、時々変えるようにした方がいいですよ。
福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみ異なる場合
福祉用具の貸与を受けていて、目的は同じだけどタイプだけ変更して単位数が増減した場合。
例えば車いすを借りていて、サイズが合わないので変更したら少し高くなった程度の変更であれば、軽微な変更に該当します。
ただし、自操式→介助式や、通常の車椅子→ティルト式・フルリクライニング式車いすなどに変更した場合は、福祉用具の種類としては同じ【車いす】ですが、明らかに目的が変わってきますので、軽微な変更には該当しません。
また、マットレスを変更する場合は要注意です。
今まで標準のマットレスを使用していた人が、褥瘡が発症した(または発症の恐れがある)ために、エアマットや低反発マットに変更したとします。
標準のマットレスは福祉用具の種類が【特殊寝台付属品】ですが、エアマット・低反発マットは【床ずれ防止用具】になります。
どちらもマットレスではあるのですが、普通に介護ベッドを使うのと、褥瘡対策が必要なのでは目的も種類も変わってしまうので、軽微な変更に該当しません。
ついでに言うと、同じエアを入れるマットでも、体位変換機が付いているエアマットは福祉用具の種類としては【体位変換機】に当たります。
これは【床ずれ防止用具】のように褥瘡を予防することが主な目的なので、そうであれば軽微な変更でいいのかな?
市などに確認した方がいいかもしれませんね。
目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
利用していた事業所が廃止したとか、利用者と事業所の相性が悪くて変更希望があったなどで、目標やサービス内容は変わらないけど別の事業所を利用する場合。
軽微な変更でいいんですが、別の事業所に移る際はその事業所の実調があるので、結局サービス担当者会議やるのと大して変わらないと思います。
実調だけなら、他に利用している事業所の参加や照会は必要ないだけ作業量は減りますけどね。
目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合
ケアプラン第1表に挙げた総合的な援助の方針、第2表に挙げた生活全般の解決すべき課題、目標、サービス種別等が変わらない範囲で、サービス内容が変わるだけの場合。
例えば訪問介護を利用していて、栄養状態改善のために【調理代行】していたのを、弁当などの【買い物代行】に変更した場合は、栄養状態改善という目的や、訪問介護を利用することには変わりないので、軽微な変更に該当します。
同じ訪問介護でも、調理が掃除などに変わったら目的が違うのでダメですよ。
担当介護支援専門員の変更
契約している居宅介護支援事業所は変えずに、担当ケアマネだけ変更する場合。
利用者からケアマネ変更の希望があったり、異動・退職などで同事業所内の別のケアマネに担当を引き継ぐ場合は、軽微な変更に該当します。
ただし、引き継ぐまでに次のケアマネが、利用者や関係事業所と顔合わせしていることが必須です。
居宅介護支援事業所が変わる場合は、契約先が変更になるということなので、自分が担当のまま別の事業所に転職した場合などは軽微な変更には該当しません。
サービス担当者会議の取り扱い
通常であれば、ケアプランに手を加える際にはサービス担当者会議の開催が必須です。
しかし、軽微な変更に該当する内容であれば、必ずしも開催しなくて良いということになります。
「必ずしも」というのは、「やってもいいし」ってことです。
あなたが必要だと判断する場合は、通常通りの流れでサービス担当者会議の開催準備を進めてください。
軽微な変更の上で開催するにあたっては、全事業所に参加を求めなくても良く、必要な事業所だけ来てもらって、あとは照会でもOK。
開催しようがしまいが、その経緯・理由について必ずケース記録に明記しておきましょう。
ケアプラン変更箇所の記載方法
- 曜日の変更なら、ケアプランに記載してある曜日を見え消し(※)で修正します。
赤ペンで書いといた方が分かりやすいですね。 - 修正に加え、第1表の空欄に変更理由を書き加えます。
- 利用者・家族に軽微な変更として取り扱う旨を説明し、同意を得ましょう。
「軽微な変更にしますねー」とか言っても利用者らには伝わらないので、「普通は担当者会議やるんですけど、軽い変更なので書面だけにしときますねー」って感じで説明しましょう。
※見え消し・・・「月曜日」←みたいにして、変更後のものを書き足す感じです
繰り返しますが、「軽微な変更」として取り扱った旨を記録に残してくださいね。
修正したプランは、利用者・家族はもちろん、各事業所にも配らないといけないし、そのことも記録するようなので、それもお忘れなく。
まとめ
軽微な変更についての解釈はちょっと難しいですが、最低でもあなたのいる市町村の通知に従っておけば間違いありません。
ちょっとでも不安なら、市町村へ直接確認しましょう。
独断で担当者会議をやらないでいたら実は軽微な変更に該当してなくて、事業所に罰金的な処置をされる可能性もありますので、気を付けてくださいね。
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