【認知症の食事介助に悩む方必見!】アルツハイマー型認知症の食行動障害(脳血管性認知症との違いも)

アルツハイマー病の食行動障害の経過

アルツハイマー病は、変性性認知症の中でも代表的な疾患です。
アルツハイマー型認知症の患者数は、認知症感は全体の約7割と言われてますしね。

アルツハイマー病では、健忘症状や失行の症状がよく知られています。

大脳皮質の委縮は神経線維変化と神経細胞脱落によるもので、記憶をつかさどる海馬周辺から側頭葉内側に始まり、側頭頂に進行していくとされています。
この原因が、脳内に発生する異常なたんぱく質であるアミロイドβ(ベータ)だというのが、アミロイドカスケード仮説です。

さらに、アルツハイマー病の進行によって視床下部や脳幹部にまで委縮が進行すると、生体維持機能や血圧、姿勢保持、呼吸、嚥下などの重要な反射も障害されます。

その経過は、例外はあれど典型的で、他の疾患の増悪や新たな血管病変などがなければ、たいていは似たような経過を辿ると言われています。

 

「環境との関わりの障害」と「身体機能障害」

アルツハイマー病に見られる記憶障害や失行・失認・失語、実行機能障害は、本人の食行動(提供された食べ物、食事時間、食事への注意など)を障害してしまいます。

アルツハイマー病の中等度~重度にかけて、摂食・嚥下運動5期モデルで言うところの先行期・準備期・口腔期の障害が見られます。
これによって、自力摂取機能の低下が進行するんです。

 

典型的な経過を辿る場合

先行期・準備期・口腔期の障害が見られてから1年程度経過してから、嚥下機能低下もみられるようになります。
それが結果的に栄養状態の低下を招くのは、想像に難くないですね。

言い換えると、自力摂取機能低下と嚥下機能低下にタイムラグがあるということなんですが、このタイムラグこそがアルツハイマー病における摂食・嚥下障害の特徴と考えられます。

自力摂取機能低下は「環境との関わりの障害」、嚥下機能低下は「身体機能障害」と言い換えられます。
もう少し掘り下げてみます。

「環境との関わりの障害」の段階

環境との関わりの障害では、見当識障害、注意の維持・切り替えの障害、実行機能障害、理解力の低下などによって、時間の感覚が狂ったり、箸やスプーンの使い方や食べ方がわからなくなる等の状態が現れます。

さらに、食べているものがどういう質感であるか、それをうまく食べるためにはどのような動きをすれば良いかという、僕らが無意識に行っている予測判断が難しくなります。
すると、食塊形成(咀嚼によって食べ物を唾液でまとめ、嚥下に適した状態にすること)が不完全なまま嚥下しようとして、誤嚥する可能性が高くなってしまうんです。

この段階では、咽頭の機能自体には大きな問題がなくても、

  • 呼吸により空気と食べ物を一緒に取り込んでしまう
  • 会話しながら食べることで空気を取り込んだり、咀嚼が不十分になる

という、協調運動の障害(食べ物と空気を別々に処理するなどの機能の障害)による誤嚥が生じやすくなります。

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症での違い

実際のところ、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症による接触・嚥下障害では、アルツハイマー型認知症によるものの方が咽頭期の嚥下障害は少ないとされています。
ですが、5期モデルはそれぞれの段階が完全に独立しているわけではなく、連動・連携して機能しているという側面があります。
アルツハイマー型認知症では、咽頭期での嚥下障害が出現するより前に、口腔期の障害大脳皮質変化が出現して、結果的に誤嚥やむせ込みにつながると言われています。

これが、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症による嚥下障害の大きな違いとです。

「身体機能障害」の段階

アルツハイマー型認知症がさらに進行すると、口腔顔面失行の進行とともに、口腔内に入った食べ物の咀嚼や、咽頭への送り込みの協調運動が不良になり、同時に徐々に咽頭の反射も低下します。

摂食・嚥下に関する身体機能障害が顕在化するということです。

身体機能障害により起こる二次的な障害が、廃用症候群です。

廃用症候群のひとつとして口腔咽頭の機能低下が起こります。
加えて、認知症の進行により嚥下反射や喀出反射(気道に入った異物を追い出そうとする動き)などの咽頭期障害につながっていきます。

この段階では、食事介助をしても、顔面失行により、本人が思うように口を開けられず、一見拒否しているように思われる行動をとるようになります。

また、食事が口腔内に入っても、咀嚼はおろか送り込みや嚥下反射が遅れることで、ため込みが起こるわけです。

嚥下反射が遅れている状況で食べ物(特に流動食など流れやすいもの)が喉頭に入り込むと、むせ込みが起こります。
この時、喀出反射が低下していると、むせのない誤嚥=不顕性誤嚥が起こるんです。

 

まとめ

アルツハイマー型認知症による食行動障害への対応については、また別の記事でみっちりやっていきます。

食事に関する諸問題は、イケイケゴーゴー(古)では相手の命に関わります。
この記事の内容は、アルツハイマー型認知症により、どういった食行動障害≒摂食・嚥下障害が起こっているかを解説したものです。
根拠を知ることで適切な対応方法も変わってきますので、まずはこの記事の内容を把握しておいてもらいたいと思います。

 

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