認知症予防に運動が最強な理由! 科学的根拠と実践方法を解説

運動がどれほど脳に影響を与えるのか、認知症予防にどれほど効果的かっていうのを、↓でお話ししています。

 

この記事で重要なキーワードのひとつがストレスです。
これは認知症予防とイコールであり、介護職員のストレス対策にもつながってきます。

長期間の研究の結果、運動がどんだけ脳に影響を与え、認知症予防につながっていくのかを、ぜひお伝えしたいと思います。

 

認知症予防とは

介護保険制度が創設されてから20年以上が経ち、認知症の患者数は急速に増えています。
2020年現在で約602人ですね。
予測では、2025年には700万人に達するとか・・・。

あと4~5年でそんなに増える?って思いますよね。

ちなみに世界規模で言うと、毎年400数十万人が認知症の診断を受けているそうです。
その中で日本の認知症患者人数は、世界でもトップクラスだそうです。

だとすると、あながち700万人というのもあながち突飛な予測とは言い切れませんね。

 

この状況を受けて、毎年治療薬の開発に莫大な資金が投入されています。
文部科学省の研究によると、2030年にはアルツハイマー型認知症の進行を止める薬が開発されると予測をたてています。

本当に進行を止められるとしても、そこ止まりです。
根本的な治療の目途はたっていません。

 

最近では、根本治療とはいかないまでも、認知症を改善させる方法が出来上がってきています。

 

「認知症予防とは」で検索!

「認知症予防とは」で検索してみると、予防の方法についてほとんど、「生活習慣の改善」と出てきます。

生活習慣の改善とは主に、

  • 食事の見直し(甘いもの、脂っこいものを避ける)
  • 酒・たばこを控える
  • 睡眠のリズムを整える
  • 適度な運動

が挙げられると思います。

これらの中で、認知症予防に最も効果的なのが、運動であるという研究結果があります。

認知症の、ある症状にスポットを当てて改善しようと思えば、有効な方法はたくさんあります。
しかし、認知症予防においては、「将来きっとこんな認知症になる」なんて予想はできません(生活習慣次第では多少はできるかもしれませんが)。

となれば、若いうちからできる一番の予防は、脳全体を活性化させることです。

それができるのが、運動ということなんです。

 

お年寄りには無理?

若く健康であれば、すぐにでも運動を始められます。
理想的な運動量は心拍数が重要で、↓の計算で得られた数字まで心拍数を上げる運動をするといいそうです。

最大心拍数(220から自分の年齢を引いた数)の70~75%

 

個人的には、お年寄りにこそ認知症予防に勤しんでほしいところではあります。
フレイル予防ってのも流行ってきてますしね。

それこそ、90代でも健康な方はいて、日課に体操しているなんてテレビでも時々見かけます。

ただやっぱり、健康でないと運動ができません。

介護を要する方で、車いすでないと移動ができない方、心疾患を持っている方は大勢います。
そんな方々に、心拍数あげろっていうのは無理がありますよね。

そもそも計算すると、90歳で理想の心拍数は約97です。

もはや頻脈です(゚Д゚;)

不整脈の一種で、脈拍100以上になった状態のこと。
不整脈として120以上になると、下手すりゃ失神します!

 

医療の見解は変わるか?

当然と言えば当然ですが、心疾患でお医者さんから運動制限を受けているお年寄りなどは、控えた方がいいですね。

ただ、70代から陸上を始めて、90代で現役バリバリな女性の脳は、同世代の方の脳より大きかった=萎縮が少なかったということは、重要な事実です。

昔は精神病患者には運動を禁じていました。
ですが、それは間違いで、運動させてみたら症状が改善した事例があります。

誤嚥性肺炎の診断を受けた方はしばしば絶食の指示を受け、点滴などになることがあります。
これも間違いであると言われるようになり、逆に早期に口からの食事を再開した方が、その後の回復に明らかな差が生まれたそうです。

そういうことが頻繁にあるので、今後もしかすると、心疾患があっても運動制限は緩和されることがあるかもしれませんよ?

 

脳萎縮がある程度進んでいる場合

今後心疾患への見解がどう変わるか、あるいは変わらないのかはわかりません。

どちらにせよ、あまり年を取ってしまってから、例えば近所を軽くジョギングする程度では、前頭葉の萎縮は止められないそうです。
例外がないわけではありませんが・・・

ただし、毎日(最低でも週5日)、意識的にウォーキングをすることで、認知症の発症率を40%抑えられたという研究結果もあるんです。

脳萎縮が必ずしも認知症につながるわけではないので、萎縮は止められなくとも、認知症は止められるということになります。

「運動=認知症予防」は立証されている

認知症には遺伝的な要因があるとされています。
アルツハイマー型認知症もそうですが、脳血管性認知症なんか、心臓が弱かったり、脳梗塞が多い血族があったりするので、確かに遺伝の影響を受けている可能性は他かです。

でもそれは、「運動習慣のない生活」ほど重大な問題ではありません。

同じ予防でも、毎日机に向かってパズルだのをやってばっかりいるよりは、ちょっとずつからでも運動する機会をもっていた方が、認知症及び脳の老化を防げるのだと立証されています。

もちろん、フレイル予防にもなりますしね。

 

これからの認知症予防

認知症の原因は様々なので、理想的な運動を習慣的にやってても、全ての認知症を予防できるとは言い切れません。

運動が制限されている方にとっては、心拍数を上げずにできる運動とか、脳トレなどをやるしかないですし、症状によってはそれで改善できるものも、もちろんあります。

しかし、運動によって認知症の発症率が40%下がったという事実は、認知症の歴史を紐解いていっても、特筆すべき成果であると言えます。

 

認知症患者の数は約602万人。

後期高齢者の2人に1人が認知症と言われる時代です。
その数はまだまだ増える予測もあります。

ですが、これからさらに研究が進み、運動がもたらす恩恵が世間の常識となっていけば、この予測を否定することが、いつか可能になるかもしれません。